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ビジュアル系に黒船来襲!? スウェーデン発・美しすぎるV系アーティストを直撃

YOHIO(ヨヒオ)

 透き通るような白い肌に、目鼻立ちのハッキリとした妖艶な顔。まるでCGの世界から抜け出してきたようなルックスを持つこの男性の名前は、YOHIO(ヨヒオ)という。そして彼は、スウェーデン人ながら日本語の歌詞を乗せてハードロックをかき鳴らす、ビジュアル系アーティストでもあるのだ(驚くべきことに現在17歳!)。  自ら結成したビジュアル系バンド「Seremedy(セレメディ)」を率いて、地元・スウェーデンのみならず、日本での活動も活発化させている彼。’11年10月にはビジュアル系最大のフェス「V Rock Fes’11”」にオープニング・アクトとして出演し、さらに’12年には日本でソロデューも果たした。その勢いはとどまらず、同年8月の大型フェス「Summer Sonic2012」にソロとして出演し、TV番組『スッキリ!!』、『笑っていいとも』などにも登場。日本のビジュアル系ファンの間では、“逆輸入アーティスト”としてにわかに注目を集め始めているのだ。  ビジュアル系として完璧すぎるルックスと、その口から発せられる流暢な日本語というギャップ……。ビジュアル系ファンならずとも興味が尽きない彼を直撃した! ◆「ビジュアル系というシーンは、僕の“居場所”だと思った」  2月某日。ニューアルバムのプロモーションを兼ねて来日したYOHIOと対面した記者だったが、実際に会うとその“美貌”にド肝を抜かれた。――本当に同じ人間なのか!? だが、「始めまして」と挨拶をすれば、はにかんだ笑顔で「始めまして。よろしくお願いします」。えも言われぬ魅力を秘めた彼への取材は、こうして始まった――。(インタビューは「完璧に意図を伝えたい」という本人の希望で通訳を介して行っている)

YOHIOはスウェーデン語、英語、日本語を操り、最近では韓国語も勉強中だという

――スウェーデンで生まれ育ったあなたがビジュアル系に目覚めたきっかけを教えてください。 僕は、子供の頃からよく女のコに間違われていたんです。それは成長してからも同じで、特にメイクなどしていなくとも、女のコだと思われてしまう。それは、ちょっとしたコンプレックスのようなものでもあったのですが、でも、ネットなどを通じて日本のビジュアル系バンドという存在を知ったときに、「このシーンは僕に向いている」と思ったんです。女のコのようなルックスでも受け入れられるどころか、むしろ、それがよしとされる。だから「ココが僕の居場所なのかもしれない」と思ったのがきっかけですね。 ――影響を受けた日本のアーティストは? 一番最初に聞いたビジュアル系バンドは「アンティック‐珈琲店‐(アンカフェ)」でした。しばらくはそればかり聴いていましたよ。あとはGACKTさんにもすごく影響を受けています。日本語を猛勉強しだしたのもその頃からですね。もともと、僕は日本のアニメやカルチャーが大好きだったので、ブログとかを読んだりして、ほとんど独学で頑張りました。 ――その勢いのままに音楽活動も始めた? ん~、というよりも僕はもともと音楽一家に育ったんです。父、祖父、伯父とみんなミュージシャンなので、当たり前のように身の回りに音楽が溢れていました。だから4歳のときにはすでにピアノを弾いていたんです。ただ、本格的に音楽をやり始めたのは、11歳のときにギターを買ってもらってからですね。それまで聞いていたのはスウェーデンのポップミュージックばかりでしたけれど、ギターを始めてからは、イギリスのバンド「DragonForce(ドラゴンフォース)」のような、ハードロックばかり聴くようになった。その後、14歳のときに仲間と「セレニティ」を組んでバンド活動を始めました。当時から音楽性はもちろん、ビジュアル系のルックスも重視していましたよ。バンドの音楽性を固めて、イメージに合った衣装やメイクを作り上げ、「ビューティー&マッドネス(美と狂)」というコンセプトを固めていきました。ちなみに、この衣装も全部自分で作っているんですよ。 ――実際にスウェーデンで活動をはじめてみて、反応はどうでしたか? ひどかったですよ(笑)。最初はみんな、このルックスを見て「アブノーマルだ」、「ゲイなのか?」と、いろんなことを言われました。もちろん、当時も今もスウェーデンにはビジュアル系バンドなんてほかにいませんから、完全に異分子扱いで、どちらかといえば見下されていたと思います。でも、最近になってその状況も変わりつつあるんですよ。なぜかというと、スウェーデンの人気TV番組の『メロディ・フェスティバーレン』という歌謡コンテストで、僕が地方予選を突破したからです。これは、過去にABBAも優勝(’74年)している50年以上の歴史を持つコンテスト。スウェーデンでは視聴率50%を超える超人気番組で、僕も子供の頃からずっと見ていました。その地方予選を突破するということは、ものすごく影響が大きいんです。それで、今までは「アブノーマルだ」とか言われてきたビジュアル系というジャンルが、少しずつ市民権を得てきているのを実感しています。 ⇒【後編】へ続く「日本のファンが受け入れてくれるのが嬉しかった」
https://nikkan-spa.jp/389042
<取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/難波雄史> 【YOHIO(ヨヒオ)】 ‘95年7月12日生まれ。ビジュアル系バンド「Seremedy」のギター。’12年4月にミニアルバム『REACH the SKY』で日本ソロ・デビューを果たす。新アルバム『BREAK the BORDER』(ユニバーサル ミュージック)が4月24日に発売予定。HP「http://www.universal-music.co.jp/yohio/
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