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「関東連合内紛」を告発した瓜田純士氏を直撃

瓜田純士氏

以前から関東連合との深いつながりが指摘され、六本木のクラブ「フラワー」襲撃事件でも、事件への関与が噂されていた元地下格闘家・瓜田純士氏

 昨年9月に起きた六本木のクラブ「フラワー」襲撃事件を巡って、1月31日、暴走族グループ「関東連合」の元リーダー・石元太一容疑者らが殺人容疑で再逮捕された。  現在、指名手配されている見立真一容疑者が依然として海外逃亡中であるものの、18人もの逮捕者を出した抗争事件の闇が、少しずつだが明らかになってきそうな気配だ。  そんななか本誌は、この再逮捕直前、関東連合のなかで「内紛」が起きていることを示唆する、意味深な記述をブログにアップさせた人物を取り上げた。今回の襲撃事件発生当初から事件への関与が噂されていた、「アウトローのカリスマ」こと、元地下格闘家で「作家」の瓜田純士氏だ。  瓜田氏は、過去に前田日明主催の「THE OUTSIDER」で追放処分を受けるなど地下格闘技界を賑わせた「問題児」として知られ、昨年3月には、タレントJOYの姉Sophiaを脅迫したとして逮捕。地下格闘技から離れたここ数年は、音楽メディアやタトゥー雑誌に寄稿するなど「作家」として活動していたが、ネット上では以前から、関東連合との深いつながりが指摘されていた人物だ。 「六本木事件で名前が報道された国田正春容疑者、小池幹二容疑者。いや、チャッピー君に幹二君。己の保身の為にひよって12月に誰よりも早く出頭し、関係ない振りをして仲間にすべてをなすりつけてるみたいですね。(※中略)チンコロしているのはあんたら二名だけですよ。サツに魂売ったんですか?」  1月半ば、自身のブログ「kingofcrazy2013 瓜田純死の独り言」のなかで、一連の事件で先に出頭した2人の実名を挙げ、不意にこんな批判を展開させた瓜田氏―――。なぜこのような内幕を暴露するような記事を公にしたのか? 本誌は彼に直撃する機会を得た。 ――なぜ、あのような記事を書いたのか? 瓜田「正直言うと、事件当日知っている刑事から俺にも連絡があったんです。『瓜田、オマエ、今どこいるんだ? 何か知ってんだろ?』って。俺は何もわからなかったんで、『何かあったんすか?』と聞いたら、犯人は何人くらいいて、どんなクルマに乗って、どっち方面に逃げていっただの、事細かに教えてくれたんです。その後もいろんなところから連絡があって話を聞いていたら、どうも最初に出頭したチャッピー君(国田正春容疑者)と幹二君(小池幹二容疑者)が、ほかの人間に全部罪をおっ被せようと考えて、身内をハメるような嘘の供述をしてるって……。実際にメディアの流れは連日『主犯』が見立容疑者、『実行犯』が石元容疑者と報じてて、逆に小池容疑者と国田容疑者両名の名前はほとんど出ていない。そこで違和感を覚えましたね」 ――自身も関東連合の正規のメンバーなのか? 瓜田「俺自身は関東連合じゃないけど、なかの人たちとは昔から付き合いがあるし、今回逮捕された人間も知っています。先輩後輩はかなり厳しい組織ですけど、同年代のなかには上下関係はない。昔から知っているだけに何となくですが……率先して後輩達に指示を出して無茶をされるタイプは小池容疑者。だから冷静になればなるほど、あの2人が『自分達は指示を受けた側』と言い訳していること、そして、すべて仲間の責任にして逃げ切ろうとしている行動も、確かにそういうことをやりかねないなとは思いましたよ。今回の襲撃事件には石元君も思いっきりハメられているみたいで……自伝本出して、俳優の仕事で頑張っていきたい、映画も主演が決まって記者会見までしたのに、普通に考えてその直後に率先してあんな事件を起こすとは到底思えない。ガキの頃にかわいがってくれていた先輩や仲のよかった後輩も多いので、その人間たちがあたかもすべて悪いみたいな状況はどうしても納得いかなかった。こうやって話すことは俺自身心苦しいし、やりたくはない。これによって誤解を生んでしまったり、正直身の危険だって感じる。亡くなられた方がいらっしゃる事件なので、そういう部分でも間違いのない真相を究明することが必要だと思う」  ――石元容疑者が「ハメられた」というのはどういう意味か? 瓜田「石元君が捕まったとき、ニュースでは『逮捕の決め手は、現場周辺の防犯カメラに店から出てきた犯行グループと接触する石元容疑者の姿が映っていたため』と言っていたけど、だったら、事件後すぐに捕まえてもいいじゃないですか? つまり、じゃあ、なんですぐに逮捕しなかったんですか? 口裏合わせをさせたり、何かいろいろ根回ししないと捕まえられなかったんじゃないんですか? ということですよ。簡単に言うと本当だろうが嘘だろうがとにかく容疑者サイドの供述が欲しかったんでしょう。それだけで逮捕くらいはできますよね。今の警察は、関東連合憎し、潰すのありきでやっているんでしょう。だから、石元君のような象徴的な人間を捕まえるのが手っ取り早い。そういうことを考えると司法取引だって十分に考えられます。小池容疑者と国田容疑者の出頭後辺りから、次々とマスコミが事件の内容を事細かに取り上げ始めた。つまり状況から考えると、世間に出ている石元容疑者の実行犯説だったり、今主犯とされている見立容疑者だって、先に出頭した2人がただそう供述しているだけの話でまったく信憑性に欠ける話。関東連合を壊滅したい警察側の思惑に乗っかって、名前のあるメンバーに罪を全部なすりつけて、自分達は“ションベン系”(罪の軽い刑)で出てこようとしていることは誰から見ても明らか。それに、この2人だけメディアにまったく写真もエピソードも出てきていない、小池容疑者と国田容疑者を知っている立場から言えばこの2人も相当タチの悪いエピソードがあるのにそれが出てこないで、なぜ見立容疑者の話ばかり出回っているのか不思議に思う。僕は人間関係を知っているだけに、石元君が実行犯みたいになっているけれど、これからの活動が決まっている状況からしてもありえないし、先輩後輩のかなり厳しい上下関係がある以上、実行犯扱いになっていることはかなり疑問が残る」 ――昨年3月、あなたは自身のブログに石元容疑者を批判するような記事を書きネット・メディアで報じられたこともあった。「不仲」なはずの石元容疑者をかばうのはなぜか? 瓜田「別に仲がいいとか悪いとかで言っているんじゃないんですよ。彼は俺の直接の後輩じゃないにしても、ガキの頃から世話になってきた先輩の後輩。まったく関係ないとは思わないし、誰の肩を持つだのとかいう気もない。アウトローの筋として、やったことにはケジメをつけるべき。それにこれまで散々先輩風吹かしてた人間が同じ仲間や後輩にすべてをなすりつけて、自分達だけ助かろうとするのは納得がいかない。やったことは清算するべきだと思うが、事実でなはい、不平等な話がまかり通ってしまうことも違うと思う。俺からすれば警察と先に出頭した小池容疑者らの思惑どおりにことが進んでいるだけだと見てる。それによって本来裁かれなくてはいけない人間が裁かれないって流れはおかしいでしょ? さっきも言いましたが、被害者の方も実際にいらっしゃるので俺がどうこう言うのは不謹慎なんですけど、それでも俺は言いたいことや納得いかないことはこれからも訴えてくつもりなんで」  近寄りがたいほどパンキッシュな顔面タトゥーの男は、わずかな時間だったが、終始苛立ちながらこう内幕を語った……。この関東連合内で起きた内部抗争が、今後の事件の全容解明に向けどのような影響を与えるのか、もうしばらく注視すべきだろう。 <取材・文/山崎元(本誌)>
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