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バスと乗用車の「衝突被害軽減ブレーキ」を比較してみた

関越自動車道・藤岡JCT付近で発生した大型バスによる死亡事故から1年がたった。事故の原因は運転手の居眠りだったが、今回はこの事故をきっかけに、新型車は2014年11月1日から、継続生産車は2017年9月1日から義務化された大型バスの衝突被害軽減ブレーキをテストしてみました 西村直人=文 Text by Nishimura Naoto 池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu ◆乗用車とバス。ぶつからないクルマの違いを比較してみた! バス「エコの次は安全」と言わんばかりに、事故を未然に防ぐための安全技術を装備したクルマが急増中だ。しかも、これは日本だけの一過性のブームではない。  被害軽減効果が高いため、欧米、欧州、北欧地域に支持者が多く、Googleのある役員も「衝突被害軽減ブレーキ」装着車を所有しているそうだ。ボルボが採用する“ぶつからないクルマ”にいたっては、被害軽減効果が政府に認められ、母国スウェーデンでは自動車保険の割引が適用されている。安全なクルマは、お財布にも優しいというわけだ。  こうした安全技術は、乗用車だけでなく商用車にも必要だ。例えば、大型バスは約13トン、大型トラックは約25トンとボディが重い商用車の場合、ひとたび事故が起きれば被害は甚大。追突されることで、損害を被る可能性のある乗用車ドライバーとしても、これは看過できない。  では、最新の大型商用車の安全装備はどうなっているのか?  そこで、大型車専用の「衝突被害軽減ブレーキ」AMB(アクティブミティゲーションブレーキ)を装備した、三菱ふそうの大型観光バス「エアロエース」を使って徹底テスト。乗用車と大型バスでは機能にどんな違いがあるのかをわかりやすくするため、同じダイムラー・グループの乗用車メルセデス・ベンツ「SL550レーダーセーフティパッケージ付」(衝突被害軽減ブレーキ搭載)と比較してみた。  そもそも「衝突被害軽減ブレーキ」とは、クルマの前部に装着したセンサー(ミリ波レーダー)で、前方にいるクルマや障害物との距離を監視して、車間距離が一定以上狭まったり、衝突したりしそうになると、まず警報音でドライバーに注意喚起。それでも危なくなったら自動ブレーキを掛けるという装備だ。  今回のテストでは、クルマにみたてたスポンジ素材の障害物に向かって時速30kmで直進し、センサーがいつの時点で反応して、どんなブレーキを掛けるのか、実際にステアリングを握って検証してみた。 ⇒【後編】へ続く「“ぶつからないバス”なのに実はぶつかる!?」
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― 乗用車とバス。ぶつからないクルマの違いを比較してみた!【1】 ―
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