恋愛・結婚

不誠実な男を信じてしまう女性の心理

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】 “外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える! ◆qiora(ペンネーム)会社員 女性 年齢不詳 バツイチ, 恋愛・結婚彼は10年前に結婚し、子供をつくりましたが離婚し、当時好きになった女性と交際。新たな彼女と5年間同棲しましたが、結婚にはいたらず破局。その後、女性と付き合うことなく大人の関係を続けたようですが、2か月前に私と付き合うことを決意してくれました。私は結婚を考えていますが、彼は元同棲相手に未練があるのか何度も会ってるようです。「5年間も一緒にいた彼女は家族のようなんだと。だから彼女にもきちんと納得して落ち着かせないといけない」と彼は言いますが、私は気持ちがガタガタです。「長くいた時間に関しては勝ち目がないよ、けど僕はあなたを選んだ」。これが彼の言い方。なんでも隠すことなく伝えることを彼は大事にしていますが、これは非常に難しくて。どうしたらうまくやっていけますか? ◆佐藤優の回答  残念ですが、世の中には一定数、不誠実な人間がいます。あなたが付き合っている相手もその一人です。悪いことは言いません。できるだけ早く別れることをお勧めします。「5年間も一緒にいた彼女は家族のようなんだと。だから彼女にもきちんと納得して落ち着かせないといけない」などという言い訳には、小指の先ほどの説得力もありません。「長くいた時間に関しては勝ち目がないよ、けど僕はあなたを選んだ」と言っても、選んでいるのはあなたという人間ではなく、「あなたの体」と「あなたのお金」のどちらかか、あるいは両方と考えたほうがいいでしょう。  結婚しても、しばらくたてばこの男はあなたに飽きて、別の女性と付き合うようになるでしょう。10年前に結婚した女性との間にできた子供は、まだ10歳以下です。あなたの彼は養育費をきちんと送金しているでしょうか? 一度尋ねてみるといいと思います。もし養育費をきちんと送っていないようならば、その理由を問い質してみるといいでしょう。彼の人間性について考えるいい機会になります。  あなたは「気持ちがガタガタ」と言いますが、これはあなたの判断力が正常であることの証拠です。悪縁が続いていると、正常な感覚が徐々に麻痺してきます。DVの激しい夫から逃げられない妻の言い分は、「それでも夫がときどき優しい言葉をかけてくれるから」というものが多いです。しかし、これはつまらない人間を愛してしまった自分の不甲斐なさを見つめることを避けるための口実にすぎません。あなたと付き合いながら、以前の同棲相手と会っていて、しかもそれを正当化する男は最低です。あなたは「なんでも隠すことなく伝えることを彼は大事にしています」と言いますが、本当に彼が隠し事をしていないと信じていますか?   前の同棲相手のことは氷山の一角で、この男には隠し事が山ほどあると私は見ています。そして、あなたもそのことに気づき始めています。それだから、私に相談してみる気になったのではないでしょうか?  カトリックの修道女で、さまざまな人の悩み相談に応じている渡辺和子先生は、人間の出会いについてこう述べています。 〈いい出会いにするためには、自分が苦労をして出会いを育てなければならない。/出会っただけでは信頼関係を結べない。/「このご縁を大事にしよう」という気持ちを育てていこう。〉(『置かれた場所で咲きなさい』58頁)  あなた自身が、苦労して本物の出会いを見つけなくては、幸せを掴むことはできないと思います。どこかで偶然知り合って、セックスをして、「この人と私は運命の糸で結ばれている」などと考えてはいけません。あなたが胸の中で抱いている不安は正しいです。勇気を出して悪縁を断ち切ることをお勧めします。そうすれば、遠くない将来に必ず本物の出会いがあります。 【今回の教訓】 その不安は、あなたが正常である証拠です ◆募集 佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。 ⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form 【佐藤優】 ’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『読書の技法』『日本国家の神髄』など著書多数
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

◆募集◆
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form

生き抜くための読書術

ウクライナ危機、元首相暗殺事件、コロナ社会、貧困etc. 分断社会を打破する書物とは?

置かれた場所で咲きなさい

100万部超えのベストセラー。現代人に、「咲けない時は、根を下へ下へと降ろしましょう」と、86歳の“シスター渡辺”が独自の表現で生き方を説く。'12年刊

おすすめ記事
ハッシュタグ