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好調阪神、去年と何が違う?

 もしや……とファンを期待させた交流戦の優勝には届かなかったものの、ペナントレースでは断トツ優勝候補の巨人と堂々首位を争う阪神タイガース。昨年5位と低迷し、前評判も決して高くなかったにもかかわらず、近年にない好調な戦いぶりを見せている。
阪神,プロ野球

阪神好調でデイリースポーツも絶好調!

 和田監督2年目の今年、いったい何が変わったのか。 「一番大きいのは、今年の“飛ぶ統一球”じゃないですか。各球団の選手は4月にはみんな疑っていたはずです。『今年はボールが飛びすぎる。まさか……去年のボールと違うのでは?』と。ところが、物事をあまり深く考えない伝統のある阪神の選手は『今年はボールが飛びすぎる。まさか……オレ、進化してる!?』と自信を持ってしまったのです(笑)」と語るのは、人気ブログ「阪神守護天使・今日のおちちゃん」ochichan氏。  冗談のようだが、自称阪神タイガース評論家で「虎バカマガジン」編集長の鳴尾浜トラオ氏も“飛ぶ統一球”の影響を指摘する。 「統一球の変化については、どの球団も条件は同じで、阪神だけが著しく恩恵を受けるということはない。ただ、主軸である鳥谷、マートン、新井は、いずれも前でさばくより、引きつけた球を詰まり気味に押し込むタイプの打撃だから、よりデメリットが解消されたのは間違いありません。それによって、藤川球児が抜けた最大の穴、しかも久保がまったくそれを埋められなかったという現状も気にならないくらい打撃が好調です」  確かに6月14日時点でのチーム打率2割6分はリーグトップ。本塁打はリーグ4位の37本と少ないのに、61本塁打で244得点の巨人、52本塁打で239得点のDeNAに次ぐ234得点をあげているのは、打線がつながって効率のいい攻めができている証拠だろう。  投手陣についても「藤浪という投手が一人入って来たことによって、調子の出ない岩田が弾かれ、他の投手も大いに刺激を受けて去年より良い投球をするようになった」(トラオ氏)と言うとおり、防御率2.93は巨人と並んでリーグトップ。数字の上からも、今年の好調ぶりがはっきりわかる。  にしても、なぜ今年になって歯車がうまく噛み合うようになったのか。その要因を、トラオ氏は次のように分析する。 「すべては“去年打った手”が功を奏しているんです。時系列で追うと、まず中村GM就任、次に金本引退、コーチ人事、ドラフトで藤浪ゲット、西岡獲得、福留獲得。これらがチームに大きな影響を与えています。なかでもベースは編成面の責任者として動いた中村GM。編成のカタがつくと、それまでメディアに出ずっぱりだったのを改め、完全に裏に回っている。当初思われていた“暗黒の権化”という姿はどこにもなく、現在のチーム状態に大きく貢献したと言える。最大のネックと目されていた和田監督の采配についても、ベテランコーチ陣がフォローしているようだし、何にも増してドラフトで藤浪を引いたというただそれだけで和田監督の自信が倍増。周囲の評価も『和田監督って実は持ってる?』になってきた(笑)。現在は故障で離脱していますが、序盤戦では福留が守備と走塁でチームをリードしました。そして今は西岡のキャラがチームを引っ張っています」  西岡については、『みんなのあるあるプロ野球DX』編著者の漫画家・カネシゲタカシ氏も次のように語る。 「阪神好調の要因はズバリ、西岡がチームの“関西濃度”を劇的に回復させたことでしょう。昨今の阪神打線は関西出身選手の少なさが顕著でした。去年のレギュラーで言えば、関西人は藤井彰人ただ一人という異常事態。これじゃチーム全体に笑いや余裕が生まれず、硬直化してしまいます。ところが今年から目立ちたがり屋のナニワの兄ちゃん・西岡剛が加入。あのホームラン後のパフォーマンス『ヤーッ!やねん(仮称)』を考案したり、金本の後釜として新井兄をイジりまくったりと、走・攻・守・“笑”にわたるTSUYOSHIの活躍で、チームに余裕が生まれ、勢いが生まれ、何となく和田監督も流れに便乗し、気がつけば首位に……というのが真相ではないでしょうか。知りませんけど」  シーズンはいよいよ中盤から後半へ。はたしてこのまま突っ走れるのか? 「本当に変わったかどうかはこれからにかかっています。何と言ってもこのチームは“巨人との一騎打ち”で歴史上一度も勝ったことがないチーム。それを成し遂げたとき、初めて正真正銘『阪神は変わった』と言っていいのだと思います」(トラオ氏) 「ここにきて、ついに統一球の仕様が去年と違うことが公式に発表されてしまいました。ここからが阪神は正念場でしょう」(ochichan氏)  巨人とコミッショナーを倒して、8年ぶりのVをめざせ! <取材・文/新保信長> ●阪神守護天使・今日のおちちゃん http://ochichan.exblog.jp/ ●虎バカマガジン http://torabaka.jp/
みんなの あるあるプロ野球DX

漫画家・カネシゲタカシによるプロ野球「あるある本」第2弾

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