株式市場の意識変革は進むのか?

株主総会シーズン真っ盛り。経営陣と対立する“モノ言う株主”が台頭するなか、注目されるのが西武HDvs.サーベラス。西武HDの株主総会は日本の株式市場の意識改革が進んでいるのか否かを占う格好の事例となるだろう ◆サーベラスによる西武HDTOBは「失敗」ではない!【後編】 (有名ブロガー「闇株新聞」氏) ⇒【前編】はコチラ  今回のTOBの結果、サーベラスの持ち株が意外に増えなかったのは、日本では「会社を乗っ取る外資は排除しろ」という風潮があるからです。しかし本来、株式会社は株主のもの。経営者は株主の利益を最優先に考えるものです。みずほコーポは、銀行の株式取得の制限(5%以下)があるため、2%の株主でしかなく、さらに後藤CEO就任後に2000億円近い融資を回収しています。西武HDは上場廃止になっていても、上場時の少数株主が多く取り残されていますが、現経営陣は株主の利益を最優先に考えているとは「とても思えない」のです。外資のハゲタカが日本でボロ儲けしているという批判とは、また違った問題です。  西武HDの行方は、6月25日の株主総会も含めて、日本の株式市場の意識変革が進むかどうかを確認する「格好の事例」と言えるのです。 ◆「闇株新聞」注目の株主総会 【6月25日】西武HDvs.米サーベラス 3月に持ち分を32.4%から4%を引き上げるためのTOBを開始したサーベラスに対して、西武HDは反対を表明。その後、サーベラスは持ち分を45%まで引き上げる方向に転換。結果は目標未達で西武HDに軍配が上がったと言われているが…… 【6月25日】米携帯電話大手スプリント・ネクステル ソフトバンクが買収に名乗りを上げていたところ、米衛星放送大手のディッシュ・ネットワークも買収を表明。ソフトバンクが買収価格を引き上げたことを受けて、スプリントは6月12日に開催予定だった臨時株主総会を25日に延期した 【今週の数字】 堤義明氏の持ち株比率 14.96% 堤義明氏が代表を務めるNWコーポレーション(旧コクド)の西武HD株式14.96%を取り込むことができれば、サーベラスが過半数を握ることも可能 【「闇株新聞」氏】 ’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」と’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。今年4月には『闇株新聞 the book』を上梓
闇株新聞 the book

「異次元」の金融緩和で為替・株・日本国債はどうなるのか?

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