「ヤリマン」でもセックスを拒む理由とは?
―[山田ゴメス]―
とある友人男性Aから、こんなクレームが私のもとに入った。
「昔、ゴメスさんに飲み会だかなんだかで、『あのコ、ヤリマンだから』って紹介してもらったH美ちゃん、いたじゃないですかー。オレ、実はあれからず~っとつないでて、昨日初デートしたんすよ。でもね、けっこう飲ませたのに、『明日、朝早いから』って、あっさり終電で逃げられましたよ。ゴメスさんのせいで、飲み代とかムダにしちゃったんですけどぉ」
“ヤリマン”の定義を勘違いしている浅はかな男の典型的な例である。21世紀もすでに10年以上過ぎたこのご時世に、こんな基礎の基を語るのも情けないかぎりだが、しかたない。おさらいしてさしあげよう。
そもそもヤリマンとは、僕の経験上、「相手に抱く好意以前の好奇心を衝動とし、その衝動の程度によっては会った初日からその男を試し食いするのも躊躇しない女性」のことを指す。ここでひとつ、見逃してはならないのが“相手に抱く好意以前の好奇心を衝動とし”という部分だ。つまり逆の見方をすれば、ヤリマンは“好意はおろか、好奇心すら抱くことのできない相手には股を開かない”のである。自称「ヤリマン」を公言し、ボクの友人を容赦なくぶっちぎったH美ちゃんに電話取材を敢行した。
――Aとデートしたのにヤラなかったんだって?
H美:う~ん、なんかピンと来なかったしね……。別れるときなんか、電車の中までついてきて、「ここで降りてホテル行こうよ! だってキミ、ヤリマンなんでしょ? ゴメスさんが言ってたし」って、超しつこかったんだから!
――ゴメン……。そんなことは一言も言ってないんだけどね(嘘)
H美:まあいいけど……。ヤリマンなのは事実なんだしさ。でも、カレはヤリマンのこと、完ペキに誤解してるよ。ヤリマンってさ、相手に興味があればイッキに攻めるけど、興味がなければ絶対にヤラせないから。ある意味、普通のOLなんかより選り好みしちゃうんだよね。カレが期待していたのは“ヤリマン”じゃなくて“サセ子”なんだと思う……。
――なるほど!
まさに天啓モノの名言ではないか。では、ここで「サセ子」の定義を明文化してみよう。
「その場の雰囲気や、断ったり帰宅したりの煩わしさ、あるいは寂しさに負けて、つい口説いてきた男に、好みは関係なく身をまかせてしまう女性」
といった感じだろうか。たしかに一見同じようで全然違う。最近は、“性に奔放な女”を気取って、「ヤリマン」を公言する女性も、にわか増えつつあるが、敵が真のヤリマンなのか、それともサセ子なのかをまずじっくりと見極めてから、落としどころや引き際を定めていただきたいものである。 <取材・文/山田ゴメス>
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。現在「解決!ナイナイアンサー」(日本テレビ系列)に“クセ者相談員”として出演。『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ