センター街で、駅のホームで…渋谷で続発、ネズミ目撃談

昨今、駅周辺の再開発など明るい話題の多い渋谷だが、そんな“表の顔”とは裏腹に、ネズミが巨大化&異常繁殖しているという。その凄まじい現状を追った―― ◆センター街、飲食店、大型百貨店……etc.もはやネズミの街!
渋谷

深夜にはもはや、路上には人よりネズミのほうが多い

 渋谷で年々、ネズミの異常繁殖が深刻化している。この傾向は数年前から顕著だが、今では目を覆わんばかりの状況になっている。渋谷のなかでも、特に目撃例が集中するのがセンター街のある宇田川町周辺だ。昨年にはファストフード店内を疾走するネズミが撮影され、画像がネット上で拡散される事態も起きた。都内を中心に業務を行う、害獣駆除業者はこう話す。 「渋谷は今、まちがいなく都内でもっともネズミが多いエリアだと思います。出現するネズミは3種類います(下記参照)が、一番多いのはクマネズミです。コイツらは跳躍力、登攀力に優れるから、建物内ならどんな場所でもすむことができる。おまけにドブネズミが掘った巣穴にクマネズミがすむような図太さも持つ。縄張り争いで他種のネズミを圧倒し、現在では一帯を“占拠”している」  過去に渋谷で捕まえた一番のビッグサイズは「体長40cm、子猫ぐらいの大きさだった」というから驚くばかりだ。 「これは都内全体に言える話ですが、クマネズミは年々、右肩上がりで増え続けています。渋谷は餌になる生ゴミも豊富だし、冷暖房はしっかりしているのに老朽化したビルも多いから、繁殖するには最適な環境なんです。今の都会のネズミは人間なんて恐れませんよ。知能が高いし、むしろ『人間のほうが逃げる』と思いこんでいます」  実際に渋谷界隈で話を聞くと、遭遇体験談は山のように聞かれた。まずは駅や路上で遭遇したというケース。それも薄暗い路地裏などではなく、白昼の渋谷で、だ。 「センター街のコンビニに入ろうとしたら、横のゴミ箱の下に2匹のネズミがいました。横を通りかかったら、こっちに向かってきて、靴の上を通りすぎたんです。大声を出してしまい、周りから変な目で見られました」(10代・学生) 「道のど真ん中にデカいネズミの死骸が放置されていた。外国人数人が記念撮影をしていて、異様な光景でしたね」(20代・アパレル) 「地下鉄からの乗り換えでホームに降りた瞬間、でかいネズミを踏んだことがあります。子猫くらいのサイズでしたよ。地下鉄構内は本当によくいる」(30代・会社員)  百貨店での目撃談も多い。 「夜中に出るんです。装飾品のついた洋服がよくかじられててダメになりますよ。だから仕事あがりには必ずネズミよけをフロアに置いて帰る」(30代・アパレル) 「毎朝、出勤してから最初の仕事はネズミにかじられたヌイグルミを処分することです。フンがそこらじゅうに落ちていることも多いです」(30代・玩具売場販売員) ⇒【次回】に続く 「ネズミ以外にハクビシンまで! 飲食店も困惑する渋谷害獣事情」 ◆都内に出現するネズミは3種類 【ドブネズミ】 体長は22~26cmほどに成長。クマネズミよりもひとまわり大きく、家住性ネズミの代表種。体のわりに耳が小さく、腹部は灰色、尾が体よりも短く白っぽいのが特徴。環境適応能力が高く、世界各地に分布している。地中に1.5mほどの穴を掘ることもあり、植え込みや下水溝、下水管などに好んで棲息する。泳ぎが得意だが、高いところに登るのが苦手なため、ビルや建物の低層階で生活していることが多い。他の種類に比べ警戒心は薄く、殺鼠剤も有効 ドブネズミ【クマネズミ】 体長は15~20cmほど。ドブネズミとともに家住性ネズミの代表種。尾は胴体よりも長く黒いのが特徴。ドブネズミと違い、壁によじ登ったり電線を伝って移動するなど身軽で運動能力が高いため、建物の上層階に棲息していることが多い。警戒心が非常に強く、現在、都市部で目撃されるネズミの大半はクマネズミ。建物内では冬でも盛んに繁殖する。近年では都市部の環境に適応し、長寿・巨大化して殺鼠剤が効かない「スーパーラット」も出現している クマネズミ【ハツカネズミ】 体長は6~9cmほどの小型ネズミ。尾は頭胴より短く耳が大きい。クマネズミやドブネズミに比べて小さく、腹部は白いのが特徴。渇きに強く、コンテナなど荷物や物の隙間に入り込んで長期間死ぬことなく世界各地へと分布する。運動能力はクマネズミほど高くはないが、天井裏やダクトなどに棲息する個体のほか、多くは畑などに棲息することが多い。ピョンピョンと跳び上がるように歩く。ドブネズミ同様、警戒心は比較的薄いといわれ殺鼠剤も有効 ハツカネズミ― 渋谷で巨大ネズミが異常繁殖中【1】 ―
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