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富裕層に人気の[ワイン投資]に庶民が便乗する方法

金や不動産とは一味違う実物資産への投資にチャレンジしたい人に朗報だ。高級ワインを購入し、じっくり値上がりを待つワイン投資が世界の富裕層のトレンドとなっている。知られざるワイン投資の魅力と、われら庶民が便乗する方法を専門家に聞いた!
浅川夏樹氏

浅川夏樹氏

「中国の富裕層の間で’09年頃から高級ワイン人気に火がつき、価格が急騰しています。私もこの年初めて買ったワインがあっという間に3倍に。なかには1年で12倍に高騰した例もあるほどです」  そう語るのは、PREMIUM WINEの運用アドバイザーを務める浅川夏樹氏だ。 「ワインの現物投資は有価証券と異なり、運用会社の信用リスクがなく、国境を越えて資産移動や相続が可能な資産です。しかもインフレヘッジにもなるとあって、新興国の富裕層を中心に金や不動産と並ぶ実物資産として人気を集めているんです」  ワイン投資の最大の魅力は、高級ワインの毎年の生産量が限られており、消費されるにつれ供給が減って希少性が高まるうえ、熟成されるほど価値が上がる点だという。日本で初めてワイン投資ファンドを組成したヴァンネットの北田朝雪氏もこう太鼓判を押す。
北田朝雪氏

北田朝雪氏

「ヨーロッパでは高級ワインを担保にできるほど、古くから一般的な投資対象になっています。特にグレート・ビンテージといわれる当たり年のワインは長期的に確実にその価値を高め、その上昇は飲み頃のピークに向けて続きます。飲み頃は通常10年以上先で、長いものだと50年以上になることもあり、時がたつほど下値抵抗力が強くなるのが特徴です」 ◆有名セラーでの保管が鉄則!自宅に置くのは厳禁  最強のコモディティ投資ともいえるワイン投資、一般の個人投資家でも挑戦できるのだろうか。 「ワイン現物に投資するなら海外の業者が相手になるので、購入から売却まですべて、国内外の代行業者に依頼するのが最も簡単です。もちろん、自分で買い付けてセラーで保管し、値上がりしたら売却することも可能です」(浅川氏)  例えば、イギリスの「ベリー・ブラザーズ&ラッド(BB&R)」という有名なワイン商のサイトで購入すれば、倉庫での保管も併せて依頼できる。購入する前にはワインの銘柄や年代別に市場価格や値動きをチェックできる「LIV-EX」というサイトで、相場を確認しておこう。瓶詰めされる前のワインを安く先行予約できる「プリムール」なら、特に値上がりが期待できるという。  じっくり寝かせて値上がりしたらワイン商などに買い取ってもらうことも可能だが、サザビーズやクリスティーズなどの有名オークションにかけるのが最も高く売れるという。 「特に香港は酒税を撤廃しているうえ、中国も近いので、ワインオークションの落札額はロンドンを抜いており、高値で売却できる可能性が高いです」(同)
シャトー・ラフィット・ロートシルト

1590ポンドでリリースされた’08年もののシャトー・ラフィット・ロートシルトは、1年で2万ポンドまで上昇(浅川氏)

 ちなみに日本では酒税がかかるうえ、ワインオークションの取引量が低いので、有利な条件での売却は難しいようだ。 「ワイン投資を成功させるには3つのポイントがあります。まず、格付けが第一級のボルドーやロマネ・コンティ、ペトリュスといった長期熟成で希少な銘柄の当たり年に絞ること。第二に、BB&Rのような実績あるワイン商から購入すること。第三に、世界的に信頼度の高い倉庫会社で保管することです」(同)  浅川氏によると、これらのワインは長期的には値上がりしていくが、購入元や保管状態によって、オークション会社の査定や落札価格が大幅に下がるので、世界的に有名なワイン商や倉庫会社を利用するのは必須だという。保管料は意外とお手頃で、イギリスの有名倉庫会社でも1ケース(12本)あたり年間1000円程度だ。 「こうした手堅い投資には最低100万円は必要ですが、第一級シャトーのセカンドワイン(二級)や、代表的な格付けである『パーカーポイント』が高いワインからお手頃なものを選べば20万円程度でも有望な投資はできます」(同) ⇒【後編】へ続く「ワインファンドを利用し、分散投資する手も」
https://nikkan-spa.jp/489825
【浅川夏樹氏】 個人投資家。豊富な海外投資経験を生かし、ワイン投資のサポートを手掛けるB&L Premium WINEの運用アドバイザーを務める 【北田朝雪氏】 ワインファンド主宰。ヴァンネット代表。税理士。ボルドーワインの産地メドックのボンタンと、サン=テミリオンの両騎士団に名を連ねる ― 知られざる最強コモディティ[ワイン投資]で資産倍増計画!【1】 ―
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