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【葬儀の常識】散骨はどこに撒いてもいいわけではない

どんなにノンキに生きていても、30~40代ともなれば葬式に出る機会も増えてくる。親だっていつまでも元気とは限らない。もしかしたら明日、いきなり喪主を務めるハメになるかもしれない。そんな、いざというときのために知っておきたい葬式とお墓に関するお役立ち情報を専門家に聞く! ◆お墓なしで「散骨」というのもあるらしいけど実際どうなの? お墓, 家庭, 相続, 豆知識 お墓に納骨する従来のスタイルにとらわれることなく、故人ゆかりの場所(多くは海や山など)に遺骨をまく「散骨」が、近年にわかに注目されている。 「ただ、どこでも好き勝手に散骨していいわけではありません。他人の土地に無断でまくのは当然NG。所有者や管理者から許可をもらえば構いませんが、断られることも少なくない」(葬儀ライター・奥山晶子氏)  山の場合は、散骨を許可している霊園などが所有の山林にまくことが多い。海の場合は港湾内や漁場周辺を避け、公海上まで船で出て散骨するケースが大半だ。 「散骨場所として認められていない場所でまくと、非合法と指摘される可能性も」(幕張霊園責任役員・小林隆氏)  では、“故人が熱烈な阪神ファンだったから甲子園に散骨したい”てなことも難しい? 「まず許可が出ないでしょう。それに甲子園には不特定多数の人が訪れ、『タイガースの本拠地』『高校野球の聖地』といった他に代えがたいイメージがある。そこに一個人の骨がまかれるのは望ましくないのでは」(奥山氏) 「先祖供養は遺された方の主体的な仕事。故人の遺志より、墓参りのしやすさなどを優先するほうがいいと考えます」(小林氏)  なお、散骨は遺骨を1mm程度の粉状にする「粉骨」を経るのがマナー。自分でやっても構わないが、業者に任せるほうがよさそう。 「最近は散骨を手助けしてくれる業者も増えました。散骨場所や方法など、業者とよく相談してから臨みましょう」(奥山氏)  ユニークな散骨方法もある。直径2.5m程度のバルーンに粉状にした遺骨とガスを入れ、空に放つ……というやり方だ。 「バルーンは高度35km付近、宇宙にほど近い成層圏で破裂し、そこで散骨されます。最近は月3~4件程度の依頼がありますね」(「バルーン宇宙葬」を手がけるバルーン工房・小野寺義博氏)  ちなみに費用は18万8000円から。葬儀は「とても晴れがましい、にこやかな雰囲気になることが多い」とか。検討してみる? 【POINT】 海、山、宇宙などあるが、どこでも好き勝手にまいていいわけじゃない ― 30~40代のための[葬式&お墓]新常識【8】 ―
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