【日本社会の闇】村八分は都市部でも起きうる

◆村八分の起源は江戸時代。ムラ社会の闇は未来へ続く

事件, 殺人 限界集落という閉鎖環境での人間関係の摩擦の末に起きた山口県殺人放火事件は、映画『八つ墓村』のモデルにもなった「津山30人殺し」とよく比較される。同事件に詳しいフリーライターの石川清氏は、共通点についてこう話す。

「年寄りばかりの場所で比較的若く、浮いていた点。転出や死別で急に身寄りがいなくなり、孤独を抱えていた点など、山口の事件と津山30人殺しには類似点があります。無差別のように見えて、特定の人間を狙っていることも共通している。いずれの犯人も孤独が募るなかで『村八分にされた』という被害意識が増幅し、自分を敵視したり、責める人物への憎悪を深めた。生存者のなかに『犯人はそう悪い人じゃない』と同情する人が目立つ点も似ています」

 この事件を機にキーワードとなり、SPA!でも紹介した村八分とは、そもそも何なのだろうか。民俗学に詳しいノンフィクションライター・礫川全次氏は言う。

「飢饉が頻繁に起こっていた江戸時代中期、農村では生産活動を共同で行い、食糧を融通し合わなければ生きていけなかった。そんな共同体から外される村八分は、死をも意味する制裁だった。その後、食糧事情が改善され、村の結びつきが薄れた明治時代以降も、村八分の風習は残り、村のしきたりやルールに反した者に対し、冠婚葬祭の付き合いを断つといったことが行われたのです」

 礫川氏は、村八分は都市部でも起こりうると言う。

「村八分が存在するのは村落だけではない。山口の事件もたまたま村で起きただけで、条件が揃えば都市でも起きうる。日本の社会ではいつしか、常に組織のうちの誰かを村八分の対象とするような風習が根付いた。学校や職場におけるいじめ問題もしかり。近年では、新興宗教の信者が増えているが、これは地元の冠婚葬祭など、さまざまなしがらみから抜け出るための手段と見ることもできます」

 日本特有のムラ社会がもたらす“闇”は深いようだ。

【礫川全次氏】
ノンフィクションライター。歴史民俗学研究会代表。犯罪、呪術、いじめ問題などに関し、民俗論を展開。近著に『日本保守思想のアポリア』(批評社)

【石川 清氏】
NHK記者を経てフリーライターに。殺人事件や民俗、旅行などをトピックに執筆活動を行う。著書に『津山三十人殺し 最後の真相』(ミリオン出版)など

取材・文/SPA!村八分取材班 イラスト/吠夢 くみハイム
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