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子供に読書をさせるには、どうしたらよいか?

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】 “外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える! ◆カナコ(ペンネーム)主婦 40歳 読書 中学生の息子がいるのですが、毎日マンガとゲームばかりやっています。真面目に勉強して、一流企業に就職してほしい……などとは考えてもいませんが、人様の前に出しても恥ずかしくない程度の教養ある大人になってほしいと思っています。  そこで、読書を勧めているのですが、一向に本を読もうとしません。おそらく読書感想文の宿題を出されたときも、ロクに読まずに書いていると思います……。ゲームが好きならこれも好きかもしれないと思い、『ナルニア国物語』を買ってあげても、いつまでたっても新品のまま。どうやって本を読む習慣をつけさせたらよいでしょうか?  お勧めの本がありましたら、それも教えて頂けると幸いです。 ◆佐藤優の回答  カナコさんからだけでなく、多くのお母さん、お父さんから「子供に読書をさせるには、どうしたらよいか」という質問を受けます。実は、本を読む習慣は小学校高学年から中学生のときにつき、このとき読書に親しんでいないと、よほどのことがない限り、その後、本を読まない生活をすることになります。  ところで、一般論として、本人が変わろうと思わない限り、これまでの生活習慣が大きく変化することはありません。東進ハイスクールの林修先生は、こう言っています。 <「いつやるか? 今でしょ!」 今、何をやるべきかがわかったんでしょう? なら、いつ走り出すの? 今しかないでしょう? この言葉には、そういう想いが凝縮されています。いつ、どこで発したかの記憶が定かでないのですが、それは表現は違えど、いつもそういう言葉を生徒に投げかけてきたからです。僕にとって、あまりにも当たり前の言葉だったからです。  僕は過ちの多い人間だという自覚があります。しかし、それに気づいた瞬間に何のためらいもなく直せる人間であるとも思っています。「過ちは改むるにはばかることなかれ」という論語の教えを、誰よりも実践してきたというささやかな自信を抱いています。人が変われるとしたら、変わらないと気づいた瞬間以外にはないのです。>(『いつやるか? 今でしょ!』3頁)  息子さんに変わる必要を自覚させなくてはなりません。中学生ですから、当然、受験を含め自分の将来について意識していると思います。読書をする習慣がある人とそうでない人との間では、将来の可能性が異なってくることを、一度、息子さんに真面目に話してみるといいと思います。ちなみにマンガ好きは、読書好きになる可能性が高いです。だから、マンガを禁止する必要はありません。これに対して、ゲームとテレビは読書の敵と考えたほうがいいです。「テレビとゲームは1日2時間以内」というようなルールを定めておくといいと思います。  息子さんも『ナルニア国物語』を読み始めれば、きっとその世界が楽しくなると思います。恐らく、お母さんから押しつけられたので、読む気になれないのだと思います。同じ事柄でも、自発的に行うことと、押しつけられたことでは、子供にとってまったく別の意味を持つことになります。  一度、息子さんを連れて、大型書店に行って、「あなたが欲しい本を3冊買っていいよ。ただし、マンガとゲーム攻略本はどちらか1冊だけ」と言って、本を選ばせるといいと思います。それから、本を買う場合は、小遣いと別枠で、お金を出してあげるようにすることも効果があります。この場合も、マンガとゲーム攻略本は、小遣いの枠内で買わせるようにします。一度、読書の面白さを知れば、息子さんは自発的にどんどん本を読んでいくようになります。 【今回の教訓】 マンガ好きは読書好きになる可能性が高い ◆募集 佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。 ⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form 【佐藤優】 ’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『読書の技法』『日本国家の神髄』など著書多数
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

◆募集◆
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生き抜くための読書術

ウクライナ危機、元首相暗殺事件、コロナ社会、貧困etc. 分断社会を打破する書物とは?

『いつやるか? 今でしょ!』

カリスマ予備校講師として知られる著者初の自己啓発本。東大卒業後、旧長銀に入行するも半年で辞めて講師の道へ、という自身の体験をもとに綴った一冊

インテリジェンス人生相談 復興編

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