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日本の公衆無線LAN事情に、訪日旅行者から不満続出

五輪開催決定など、訪日旅行者の増加が期待されるなか、日本のWi-Fi環境への不満の声は多い。諸外国の事情と比較し課題を探った。 ◆訪日旅行者から不満続出使えないWi-Fi
佐野健一氏

佐野健一氏

 2020年五輪の東京開催が決まった。すでに富士山が世界文化遺産に登録されたことで、海外からの旅行者は増えており、観光客のさらなる増加が見込め、観光立国となることが期待される。  ところが、観光庁が発表した資料によると、訪日旅行者の3割以上が「Wi-Fi環境の未整備」を「困ったこと」と回答しており、多くの旅行者を受け入れるには課題も多い。訪日旅行者に日本のWi-Fi環境について聞いてみると、以下のような不満を持っていた。 「マクドナルドやスタバで使おうと思ったら登録が必要だった」 「英語での説明がない」 「鍵付きだらけで探すのも大変」 「なぜ専用アプリが必要なの?」 「会員登録が必要だった」 「カネなら払う! が、払ってでも使う方法が見当たらない……」  とはいえ、日本人からすると都市部であれば、Wi-Fi自体は十分すぎるほど飛んでいるように思える。それでは、なぜこのような「不満」が発生しているのか? 「アメリカでは、Wi-Fi環境が街中にあることが前提となっており、iPadもWi-Fi版のほうが売れています。スターバックスでは使用承諾ページで同意するだけでメールアドレスなどの登録なしに使うことができます。ほかにも、フリーWi-Fiスポットは多く、飲食店などで競うように導入されています」とは、海外のモバイル通信事情に詳しいビジョン社長の佐野健一氏。  一方、日本は「セキュリティなどの問題から、携帯キャリアなどが提供しているWi-Fiサービスでは事前登録が前提になっていることがほとんどです」と言う。 ◆諸外国の公衆Wi-Fiが普及している意外な理由  諸外国で公衆Wi-Fiが普及している背景には他の理由もある。 「アメリカなどでは、移民者など、携帯キャリアとの契約ができずプリペイド携帯を使っている人が多くいます。契約なしで使える公衆Wi-Fiは、そうした層からの気軽にネット接続したいという需要に応え、増えていきました」(同)  次回は、諸外国のWi-Fi環境・利用実態を、現地人と旅行者それぞれの立場に分けて紹介する。 ⇒【次回】「海外の公衆無線LAN事情はどうなっている?」
https://nikkan-spa.jp/523319
【佐野健一氏】 ビジョン代表取締役社長。海外でのルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」(http://townwifi.com/)などを展開している ― 五輪を前に考えたい「日本の公衆Wi-Fi」未整備問題【1】 ―
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