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クラシコ直前! R・マドリードに内紛勃発?

 今週末、スペインサッカー「リーガ・エスパニョーラ」の2強と言われる、バルセロナとレアル・マドリードの対戦“クラシコ”が開催される。両者の対決するクラシコは古くから、ライバル同士が闘志を燃やして闘うだけでなく、優勝の行方を左右するビッグゲームとなってきた。  今季も例外ではなく、8節終了時点でバルセロナに勝ち点差5をつけられていたR・マドリードからは、スペイン現地で「この試合を落としたら、もうリーガは終わり」と敗北宣言すら聞こえてくるような雰囲気だった。しかし、前節はここまで全勝していた昨季王者バルセロナがオサスナとスコアレスドロー、R・マドリードはマラガに勝ち、その差は3に接近。バルセロナの本拠地カンプ・ノウで白星を挙げれば、勝ち点で並び、まだこの先のシーズンに期待が持てる状況となった。  ただしそれは計算上の話。昨季中にはモウリーニョ監督の下で完璧な対バルセロナ対策をマスターした彼らだが、アンチェロッティ監督の下で二匹目のドジョウを狙えるかは疑問だ。というのも、アンチェロッティ新監督はビッグクラブにふさわしい、ゲームの主導権を握ってスペクタクルなプレーを披露することを目標に着任。となれば、相手の攻撃に鉄壁の守備で耐え抜き、速攻カウンターで勝負をつけるモウリーニョ方式を採用する訳にはいかないからだ。  とはいえ、アンチェロッティ監督もベテランの古狸。順風満帆とは言えないここまでの歩みの中、一時は「カウンターも有効な武器」と前言を撤回。「このチームの選手構成はカウンター用になっている」と達観したものだが、これはもちろんペレス会長のお気に召すところではなかった。 ◆カウンターは禁句?現場とトップの認識の差がR・マドリードの最大の弱点に
ベイル

早くも確執が噂される新戦力のベイル

 R・マドリードといえば、この夏に前代未聞の移籍金1億ユーロでベイルを獲得。自身の記録を破られたクリスティアーノ・ロナウドが機嫌を損ねないよう、9月に年棒を1700万ユーロにアップして、なんとか維持しているスター選手軍団だ。その世界最強軍団の最大の武器がカウンターとなれば、沽券に関わると思うのは当然だ。  おまけに先週は、その高額移籍選手ベイルに椎間板ヘルニア疑惑が浮上。結局は、脊髄にそういう傾向あるだけで、症状が出るかはわからないという診断になったが、お披露目を急いだためか、たった2試合で筋肉痛を起こしてダウンしてしまったことも噂に尾ひれをつけることになった。C・ロナウドをCFにするとパフォーマンスが落ちるという枷もあるため、右サイドで起用されているベイル。だが、それで力が発揮できないようでは、過剰出費を補うためのエジル売却などと合わせて、またしても“非常識な値段の買い物”という批判は避けられないだろう。  他にも内紛の要素は多々ある。中盤の要としてドイツ代表MFケディラを重用するアンチェロッティ監督の姿勢に対して、ペレス会長のみならずマスコミは、スペイン人新戦力のイスコやイジャメンディの起用を支持。先日はケディラ本人が「自分は大型移籍でもないし、スペイン人でもない。モウリーニョ監督の弟子と思われているから、批判される」と不満を爆発させたこともあった。さらに今季はCL専任GKにされてしまったカシージャスが「3か月経っても同じ状況なら、退団を考えるかもしれない」と発言し、チームの核が揺らいでいるのは悩ましい。  毎年のように、チーム内にゴタゴタを抱えるレアル・マドリード。ペレス会長は、ここ数試合の様子を見て、アンチェロッティ監督の先行きを考えるという報道もなされている。その判断の指標として、クラシコが、大きなウェイトをしめるのは間違いない。 <放送予定> WOWOWにて10月26日(土)深夜0:40~生放送 http://www.wowow.co.jp/ <取材・文/NANO編集部> 海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団
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