【2013年日本シリーズを数字で読む】楽天は王者巨人を倒せるか?

楽天,則本昂大

第1戦の楽天の先発はエース田中ではなく、新人王をほぼ手中にした則本(今季15勝8敗)。対する巨人は予想通りエースの内海(13勝6敗)

 シーズン中も2位以下に大差をつけ余裕でセントラル・リーグ連覇を果たした読売ジャイアンツと、24勝0敗1セーブという驚異的な成績をあげた田中将大にグイグイと牽引され、球団創設初のリーグ優勝を遂げた東北楽天ゴールデンイーグルス。経験と選手層の厚さの差から見れば「胸を借りる」形になる楽天が巨人を倒すことはできるのだろうか。

◆リーグでの戦績は楽天やや有利

 まず両チームのレギュラーシーズンの戦績を見ると、巨人が84勝53敗7分で勝率.613、楽天が82勝59敗3分で勝率.582と巨人が優っている。だが今季のセパ交流戦を見ると、パ・リーグ80勝セ・リーグ60勝4引分けと、パ・リーグが大幅に勝ち越している。そこで巨人の交流戦成績、つまりパ・リーグのチームを相手にした戦績を見ると13勝10敗1分で勝率.565、楽天の全戦績からセ・リーグが相手の交流戦を除いた戦績を見ると67勝50敗3分で勝率.573。巨人のセ・リーグ内での戦績は71勝43敗6分で.623、楽天の交流戦戦績は15勝9敗0分で.625。もちろん各チームの交流戦試合数は24とサンプル数として小さいので、もの凄く意味のある数字とは言えないかもしれないが、各リーグでの戦績を勝率で見れば、いずれも楽天は巨人に優っているのだ。

◆平均年俸に現れる巨人の選手層

 巨人は強い。今年4月に公表されたプロ野球選手の平均年俸で、巨人(6,155万円)が他チームを引き離してダントツだったのを見れば当然とも思えるが、一方で平均年俸2位の中日(5198万円)、3位ソフトバンク(4152万円)はプレーオフに進出すらしていないし、楽天は12球団中10位(2964万円)、クライマックスシリーズ・ファイナルステージまで進出した広島が11位(2700万円)であるのを見れば、金額も大事だろうが使い方もかなり大事ということだろう。(金額に出来高払いは含まれていない。金額は選手会所属選手の自己申告によるもので、外国人選手は含まれていない)

 だが平均年俸が高いことの一番の強みは何か。それは選手層の厚さである。少し極端な例という気もするが、楽天の先発陣のエースはもちろん田中で、レギュラーシーズン24勝を挙げている。2番手則本昂大が15勝8敗、これは他チームでならトップの成績だ。だがその次は美馬学の6勝5敗、ブランドン・ダックワース投手の5勝5敗と、シーズンを通して3番手として先発ローテーションを守った投手すらいないのだ。対する巨人は菅野智之と内海哲也が共に13勝6敗、杉内俊哉11勝6敗、デニス・ホールトン9勝4敗。さらに中継ぎの澤村拓一、スコット・マシソン、山口鉄也らに加えて今季最多セーブ(42)の守護神・西村健太朗がいるという圧巻の投手陣。そしてレギュラーシーズン通算145本塁打(楽天は97)を放った攻撃陣については、今さら言うまでもないだろう。

◆楽天優勝への道は?

楽天 それでは、楽天が巨人を破って優勝することはできるのか。それにはまず、田中、則本に次ぐ投手たち、恐らくは美馬、辛島航らの奮起が期待される。そして万が一にも田中が打たれるようなことがあれば、その時こそ野球は1人ではできないということを周りの選手らが実証して見せて欲しい。「ハートはお金で買えない」ことを伝え、見ている人の心を震わせるような日本シリーズを期待したい。

<取材・文/NANO編集部>
海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団

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