カーライフ

日本車が世界市場で踏ん張っていられるのは、GT-Rがあるからだ

日産GT-R NISMOが600馬力で1501万5000円なのに対して、ポルシェ911ターボSは560馬力で2446万円、フェラーリ458スペチアーレは605馬力で3290万円。スペックを考えるとGT-Rは激安であります。にもかかわらず、1000万円オーバーのクルマを買う富裕層からの支持はイマイチなのだとか。その理由を解説しました MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu ◆日本車が韓国車に海外でなんとか勝てるのはGT-Rがあるからだ! GT-R 諸君らボンクラサラリーマンは、今日も元気にスマホをいじりつつ、満員電車に揺られていることだろう。  そんな諸君らは、日本の自動車産業が、韓国勢の猛攻勢にもめげず、なんとか世界市場で踏ん張っている真の理由など、知る由もない。  なに、品質がいいからだろうって? いや、品質に関しては、すでに差はない。むしろデザインでは、韓国勢に大敗しつつある。現代・起亜ともに海外の著名デザイナーを大胆に起用して、そのスタイリングは、欧州車すら凌駕しようとしている。それに比べて日本車のデザインのショボさよ。まるで発展途上国のタクシーみたいなクルマがゴロゴロしている。嘆かわしい。  それでも日本車が世界市場で踏ん張っていられるのは、なぜか。  GT-Rがあるからだ。  諸君らボンクラは、GT-Rと聞いても、「ラーメン?」くらいしか言わぬだろう。が、日産GT-Rは、実質的に世界最速の市販車である。フェラーリよりもポルシェよりも速い。戦闘機で言えばF22ラプター。無敵なのである。  日本と言うぬるま湯に浸かったボンクラ諸君は、スマホ割引のことで頭がいっぱいで、世界最速のクルマには興味はなかろう。がしかし、キミら以外の全人類は、世界最速のクルマに憧れている。たとえば世界最速の男・ウサイン・ボルトは、ゴールドのGT-Rに乗っている。同じくジャマイカの元世界記録保持者・アサファ・パウエルは、R32GT-Rを800馬力にチューニングして乗っていた。全世界に配信されている英BBCの超人気クルマ番組『トップギアー』は、韓国車のことはメタクソにけなすが、日本車は、どんなにカッコ悪くてもそれなりに扱う。なぜなら、日本にはGT-Rがあり、韓国にはないからなのだ!  確かに韓国車は良くなった。しかし、実用車しか作っていない。後輪駆動のスポーツカーは、最近ようやく1台だけ作ったが、GT-Rとは月とスッポン。世界のセレブは誰も乗らない。それでは、真のブランドイメージは構築できない。  日本は、日産だけでなく、トヨタも、ホンダも、マツダも、三菱も、スバルも、過去、世界に名を馳せたスポーツカーを送り出した。そして現在は、日産GT-Rが世界の頂点に君臨している。この事実がどれほど大きいか。戦いの勝利者は、常に尊敬と憧れの対象となりうるのだ。日本の家電が韓国に敗れたのは、GT-Rがなかったからだ!  ということで、日本経済を支えているのは、実はGT-Rなのであるが、そのGT-Rがマイナーチェンジを受け、新たに最速の「GT-R NISMO」が登場することになった(発売は来春から)。そちらにサーキットで乗らせていただきました。 ⇒【後編】「GT-Rの問題点は値段が安すぎること。次は2000万円で」に続く(https://nikkan-spa.jp/553831)
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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