NYの貴公子・ヤンキースのジーターが引退【表明文の全文訳を掲載】

デレク・ジーター

華やかなプレーと甘いマスクで「NYの貴公子」と称されたデレク・ジーター。2014年シーズン限りでの引退を表明した

 2014年2月12日、アメリカ球界に激震が走った。MLBニューヨーク・ヤンキースのキャプテンであり、メジャーリーグの顔であるデレク・ジーターが現地12日、今季限りでの現役引退を発表した。

 1995年のデビュー以来ヤンキースひと筋でプレーしてきた39歳のジーターは、現役のレジェンド。華やかな遊撃守備と勝負強い打撃、そして類希なる人格とリーダーシップで、全ての野球ファンに愛された。5度のワールドシリーズ制覇やオールスター選出13度、現役最多の通算3316安打など、輝かしい実績を積み重ねてきた。

 2013年シーズンは度重なる故障に苦しみ、出場僅か17試合。メジャー20年目の節目を迎える今季、最後のワールドチャンピオンを目指す。

 ジーターの引退発表に際し、MLBのバド・セリグコミッショナーも特別声明を発表。「ナショナル・パスタイム(国民的娯楽:ベースボール)を代表して社会に伝えてくれたアンバサダー(大使)として、ジーター以上に素晴らしい人物はいなかった。彼の時代、いやあらゆる時代の最も素晴らしい選手たちのひとりである」と、功績を称えた。

加藤豪将

ヤンキースの偉大な大先輩へのリスペクトをツイートした19歳の加藤豪将

 他球団の現役選手たちからも「僕のアイドルだった」「球界の至宝」と、惜しみない賛辞が送られた。現在ヤンキースのマイナーに所属し、同じ内野手としてジーターの背中を追いかける19歳の加藤豪将は、自身のツイッターに打撃練習を行うジーターの写真を投稿し、英語で「誰もが過去の功績を振り返るけど、彼は今もなお未来に向けて努力を続けているんだ」と呟いた。

 ジーターは12日、自身のfacebookページに長文の引退表明を、自ら署名入りで公開した。そこには引退を決断した思いやファンや関係者への感謝が綴られており、瞬く間に野球ファンの間でシェアされた。現地のスポーツメディアには「史上最も絵になる引退発表だ」「いつも通り、ジーターらしい完璧なスタイルでやってのけた」などと称された。

 以下、引退表明全文を日本語訳したので、是非読んでみてほしい。

◆「デレク・ジーターより」(日本語訳)

 まずは「ありがとう」からはじめたい。夢を見てもやがて醒める、と人は言う。しかしどういうわけか、私はこれまで一度も目を覚ます必要がなかった。ニューヨーク・ヤンキースの選手として過ごしてきた時間だけでなく、毎日が夢の中を生きてきたんだ。

 昨年は苦しい1年だった。度重なる故障に苦しみ、それまでいつも容易く楽しく感じていたものを、苦痛に感じはじめている自分に気が付いた。常に自分自身に言い聞かせてきたことがある。野球を仕事と感じはじめたとき、それは新しい一歩を踏み出すときである、と。

 今シーズンが最後だと感じはじめたのは、数ヶ月前のことだ。決断を下し、友人と家族に話したが、100%の確信を持つまでは何も言うなと全員に言われた。

 そして今、これ以上の確信はできないほど私は確信している。私は心でそれを理解している。2014年シーズンがプロ野球選手として最後の1年になる。

 私はこれまでのキャリアで、数々の素晴らしい瞬間を味わってきた。ルーキーのショートストップとしてワールドシリーズを制覇し、ヤンキースのキャプテンに任命され、旧ヤンキースタジアムの最後、そして新ヤンキースタジアムの幕開けに立ち会った。私は常に、次なる目標を追い求めてきた。そして今、ついにその旅を終わらせようと思う。

 この20年間、私は常に2つのことだけに集中してきた。自分のベストを尽くすこと、そしてヤンキースの勝利に貢献すること。それはつまり、1年間の365日、その目標にのみ向かってあらゆることを考え行動を起こしてきたということだ。そして今、新しい何かを求めるときがきた。

 少年の頃から、とても鮮明な私の夢は変わらなかった。ニューヨーク・ヤンキースのショートストップになりたかった。20年前に白紙のキャンバスからはじまり、そして今それを見ると、その画はほぼ完成している。こんなにも素晴らしいものになろうとは、全く想像もしていなかった。

 数え切れないほど多くの人々がこの旅に寄り添い、そして私を助けてくれた。「ザ・ボス」スタインブレナー・ファミリー(オーナー一家)、ヤンキース球団に携わる全ての人々、全ての監督、コーチ、チームメイト、友人、そして何よりも私の家族たちには、特に感謝したい。彼等彼女等から私は素晴らしい人生の教訓を学び、それは私がこれだけ長く旅を続けることができた最大の理由だ。誰もがフィールドにいるわけではなかったが、皆が私と共に毎日試合を戦ってくれ、そして私がキャリアを終える準備もできていると思う。

 また、ニューヨークの人々なしに私はなかった。ファンの皆はいつも私がベストを尽くすよう押し上げてくれた。私を愛し、尊敬し、そしていつも私と共にいてくれた。こうした状況はときに苦しく、攻撃的で、過酷な環境にも成り得る。この街の人々は大きな期待を抱き、そして我々がそれに見合うかどうかという不安も抱く。

 しかし、私に試練を与え、励まし、叩きのめし、そして立ち起こしてくれたのは全て彼等彼女等だった。ニューヨークは私を強くし、より優れた人間になることに集中させてくれた。そのことに、私は永遠に感謝し続ける。ニューヨーク以外のどこかでプレーする自分を想像できたことがない。

 私は何一つ忘れないだろう。声援、ブーイング、全ての勝利と敗戦、移動の飛行機、バス、クラブハウス、フィールドへ向かう通路、そして自宅とブロンクス(ヤンキースタジアム所在地)を往復する道。私は自らが設定した、個人的そしてプロフェッショナルとしての目標を、ほぼ全て達成してきた。ベースボールをプレーすることに人生の大半を費やし、そしてそのことを全く後悔していない。

 今、次の章に進むときである。私は新しい夢と情熱を持っており、新しい挑戦を求めている。ビジネスや慈善活動の領域でやりたいことが多くあり、私生活も充実させていきたし、自分自身の家族を築きたいとも思っている。自分のペースで世界を知るために活動し、さらには夏休みだって欲しいんだ。

 でもその前に、私は今年過ごす毎日の全ての瞬間に浸りたい。この1年を生涯覚えていられるように。そして最も大切なことは、ヤンキースの世界一にもう1度貢献したいということだ。

 改めて、ありがとう。

※原文はこちら
https://www.facebook.com/derekjeter/photos/a.177911252260496.48936.177902535594701/691146467603636/?type=1&stream_ref=10

<取材・文/内野宗治(スポカルラボ)>
http://www.sclabo.net/
海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!ではMLBの速報記事を中心に担当

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