「肴はおでん、〆は深夜のステーキ」が沖縄スタイル

 沖縄には様々な郷土料理がある。沖縄そば、ひらやち、タコライスに各種チャンプルーなどなど。特に豚を使った料理は耳から内臓、そして骨まで全てを活用している。耳はミミガー、皮はチラガーと呼ばれジャーキーやマリネなどにされ、内臓(モツ)は中身と言われ昆布と煮込んだ中身汁が地元のソウルフードとして親しまれている。そして骨はダシをとって沖縄そばと、捨てるところがない。そんな豚の中で沖縄県民が大好きな部位がある。それはテビチと言われる豚足である。

 テビチは煮込んでよし、焼いてよしの食材である。沖縄ではどちらの調理方法でも食されるのだが、人気があるのは煮込み。それもおでんで食べるのが沖縄スタイルである。沖縄でおでん!?と思う方もいるかも知れないが、おでんは沖縄県民にとってはかなりメジャーなソウルフードなのだ。

◆テビチを入れて濃厚なおでん汁に

沖縄おでん

レタスやチンゲンサイなどの青菜、そしてテビチが入っているのが特徴的な沖縄おでん。テビチが入っているからクセのある味になると思いきや、クセはないのに濃厚で後を引く味わいが特徴。コラーゲンたっぷりなので、女性にも人気が高い

 沖縄おでんは昆布でダシを取り、醤油で味付けをした汁がベースになっている。そこにテビチを入れて煮込むことでコクのあるおでん汁が出来上がる。具材は内地のおでんとほぼ同じで、大根やこんにゃく、厚揚げ、はんぺん。珍しいところでは砂肝が入っている所もある。テビチが入っていること以外に内地のおでんと変わっている点があるとすれば小松菜やチンゲンサイ、お店によってはレタスなどの茹でた青菜系の野菜を最後に盛りつけること。

 煮込まれたテビチはプルップルで味もしみて酒が進む。適度なテビチ特有の香りが泡盛の香りと相まって、いくらでも食べられる。

 沖縄おでんの起源については諸説あるのだが、伝わったのは戦後のこと。今では沖縄おでん専門店も多くあるのだが、ほんの10年ほど前までは完全に飲み屋の肴だったとか。沖縄在住のライターに話を聞いた。

「元々、沖縄のおでんはスナックで出されていたものが広まったと聞きます。沖縄にはスナック街がたくさんあって、そうしたスナックの定番メニューとして人気になったといいます。スナックの看板には『カラオケ&おでん』と書かれていたり、看板の横におでんの提灯がぶら下がっているのも珍しくはありません。適度に腹に溜まるし、シマー(島酒、泡盛のこと)も進むから人気になったんでしょうね」

 沖縄のソウルフードを育んだのはスナックだったとは、なんとも不思議な感じがしてしまう。さらにライターは続ける。

「最近は沖縄おでんもメジャーな存在になってきて、専門店も増えてきました。ですが、やはりこういったもB級感溢れるグルメは気負ったお店で食べるより、路地裏にあるような地元の飲み屋さんとかスナックでねーねー(沖縄の方言でおねえさん)相手にシマーを飲みながら食べるのがおいしいんです」

 ちなみにスナックはけっこうボッタクリがあるので、それだけは注意してほしいとのこと。タクシーの運転手や情報館に話を聞くとボッタクリは随分と回避できるはずだ。

◆飲んだ〆には沖縄そばを食べない!?

 おでんを肴に一杯やれば、どうしても〆の一品が欲しくなるのは酒飲みのツラいところ。でっぷりとした腹を気にしながらすするラーメンは、背徳的な味すらする。沖縄と言えば沖縄そば。それゆえに〆の一杯は沖縄そばかと思いきや、こんな声が多数聞かれた。

「飲んだ後の〆はステーキ!」

 那覇市内のキャバクラ嬢に話を聞いた。

「沖縄で〆の一杯は沖縄そばじゃなくて、ステーキって言う人は多いですよ。沖縄は戦後に米軍が来たことで、内地よりも早くからステーキを食べるようになったっておばあちゃんに聞いたことがあります。沖縄にはたくさん鉄板焼きのお店もあるんですが、オーソドックスなステーキハウスもとっても多くて夜遅くまでやってるんです。アフターで飲んで最後はステーキってことはよくありますね」

 なんとも意外な話だ。沖縄そばではなく、ステーキを〆に食べるとは……。また、内地ならステーキにはそのお店のオリジナルの凝ったソースをかけて食べるのが一般的なのだが、沖縄ではちょっと違う。

「お店が作ったオリジナルソースもあります。これは鉄板焼きのお店に多いと思います。ステーキハウスではオリジナルのソースもあるんですが、A1ソースというソースをかけて食べるのが一般的です。A1ソースはアメリカだとメジャーなソースで、ウスターソースのような感じなんですが、もっと酸っぱさが強くなっているのが特徴です。内地の人はちょっと苦手な人も多いみたいですね」

ステーキ

那覇を中心に鉄板焼きの店も多いが普通のステーキハウスも多く、沖縄の人の肉好きを物語っている。ボリュームも満点だ!

 A1ソースとは余り聞き慣れないが、アメリカではかなりメジャーなソースで、肉料理には欠かせないとも言われる。米兵由来の沖縄のステーキには欠かせない存在であり、支持率も高い。筆者もステーキハウスで食べたことがあるのだが、あくまでも個人的な感想だが、物足りなさを感じてしまった。だが、地元民からするとシンプルなA1ソースの方が美味しいという意見は多い。

「最近は内地から来た人を意識してソースも凝ったものを出すお店が増えたけど、あたしはやっぱりシンプルにA1ソースがいいかなぁ~」

 GWや夏休みに沖縄に行こうとしている方は多いだろう。ぜひとも沖縄スタイルで夜のグルメを堪能してほしい。 <取材・文/長谷川大祐(本誌)>

100万本無料配布中の“謎の缶コーヒー”。気になる味を飲み比べしてみた

100万本無料配布中の“謎の缶コーヒー”。気になる味を飲み比べしてみた
sponsored
提供元:キリンビバレッジ  仕事に追われる社会人たちの強い味方といえば、言わずもがな缶コーヒー。記者もそんな缶コーヒー愛飲家の1人だ。思い返してみれば…

連載

ばくち打ち/森巣博
番外編その3:「負け逃げ」の研究(22)
メンズファッションバイヤーMB
最速で「中年男性をおしゃれに見せる」魔法のアイテムとは?【プロが断言】
山田ゴメス
最近、激増している「副業・AV女優」の本音に迫る!
オヤ充のススメ/木村和久
キャバクラか風俗か――。人生最大の問題に終止符を
フミ斎藤のプロレス講座/斎藤文彦
近未来の“超大物”ハンターがデビュー ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第190回(1995年)
英語力ゼロの46歳バツイチおじさんが挑む「世界一周 花嫁探しの旅
「パソコンもカメラも買い直すしかない」――46歳のバツイチおじさんはインドのシリコンバレーを目指した
原田まりる
尾崎豊で意気投合し、タクシー代がタダになった夜
大川弘一の「俺から目線」
こんな自由にお前は出会ったことがあるか――連続投資小説「おかねのかみさま」
プロギャンブラー・のぶき「人生の賭け方」
おっぱいポロリのある地上波番組『ケンコバのバコバコテレビ』に出演して感じたこと
爪切男のタクシー×ハンター
虹の根本にある素敵なもの
フモフモ編集長の今から始める2020年東京五輪“観戦穴場競技”探訪
東京五輪でチケットなしでも“絶対生観戦できる鉄板競技”とは?
元SKE48/SDN48・手束真知子の「フリーランスアイドル論」
アイドルは私生活まで“キラキラ”してないといけないの!? 現実とのギャップに困惑
おじさんメモリアル/鈴木涼美
「顔じゃなくて知性で女を選ぶ」男の無知性
僕が旅に出る理由 in India/小橋賢児
北インド秘境で「宇宙に住んでいる」と実感した——小橋賢児・僕が旅に出る理由【最終回】

投稿受付中

バカはサイレンで泣く 投稿受付中
佐藤優の人生相談 投稿受付中