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高齢者の資産を根こそぎ狙う「悪徳終活ビジネス」

 高齢者が「周りに迷惑をかけたくない」と考え、生前に死後の各種処理を決めたり、事前に契約する例が増えている。高齢化社会で「終活ビジネス」はもはや大市場だ。しかし、昨今はそこに悪徳業者が待ち構えている。 終活ビジネス,アングラ 相続や遺言書の作成はどうすればいいのか、認知症などで判断力を失ったとき、どうやって財産や我が身を守るのか――。急増するそんな高齢化の不安に応えるべく、最近にわかに増えているのが「終活コンサルタント」だ。  だが、その背後には、日本の個人金融資産の大半を抱えこむ高齢者を食い物にする“包囲網”が完成しようとしている。事情通の元暴力団組員S氏は言う。 「最近ヤクザとか詐欺・悪徳商法の金主が、終活コンサル業に投資する例が増えている。コンサル業に必須となる人材は、弁護士、行政書士や司法書士たち。本業では食えない弁護士、または司法試験は合格したけど弁護士登録できない人間はいっぱいいる。行政書士や司法書士も、バブル期の地上げブーム以来の共生者が少なくない。そういう人脈を集めるシステムは、数年前に流行った『借金相談コンサル(過払い金請求や自己破産などのサポート)』の延長線上にあるんだけど、そのノウハウを持った不良たちが、今度は設立の簡単な一般社団法人を冠にして、終活コンサルの法人を立ち上げるケースが増えてるんですよ」  慈善ではなく、あくまでビジネス。こうした悪質な終活コンサルは、パンフレットをポスティングしたり、訪問形式をとってターゲットの高齢者に接触する。自宅に上がりこみ、不安を抱え孤独な高齢者のカウンセリングをしながら、簡略なエンディングノートなどを一緒に作るなどして、高齢者の心の隙間に入り込むのだ。  こうした法人は、カウンセリングを通じて、マッチングを模索している。終活コンサルは、高齢者を対象とするあらゆるビジネスの“窓口”だからだ。  3/25発売の週刊SPA!4月1日号「高齢者を狙う[反社的終活ビジネス]の恐怖」では、生きているうちから囲い込み、根こそぎ分捕っていく「終活ビジネス」に忍び寄る反社勢力とそれらと結託する悪徳弁護士などの手口をリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
週刊SPA!4/1号(3/25発売)

表紙の人/桜庭ななみ

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