笑顔と明るさを強要する職場にウンザリ…うつ病にかかり退職へ

夢、仲間、絆、希望、笑顔、理想の自分――。ブラック企業に限らず、“ポエムな言葉”が盛り込まれた社歌を歌いながら体操したり、社員に駅前清掃を強要する企業も少なくない。こうした独自の規定を義務づけ、社員の労働意欲を引き出し洗脳しようとする「ポエム化する日本企業」の実態とは?

<ポエム否定派>
◆ポエム化企業の奇々怪々なルールの数々

ポエム化 香ばしい社訓に奇妙な体操、奇々怪々な慣習など、珍妙なルールを押し付けるポエム化企業はさまざまな業界にはびこっている。「ポエム化した会社のせいで、心身ともにボロボロになった」と語るのは、1年前まで中堅の会計事務所に勤務していた田中正志さん(仮名・30歳)。

「とにかく笑顔と明るさを強要する会社だった」と話す田中さんの職場は朝から奇妙だ。

「朝、会社に来たら、すでに出社している社員の元に『おはようございます!』と挨拶と握手。遅めに出社したら、全員のところを回らないといけないから大忙しです。逆に仕事をしたくて早めに出勤しても、後から出社した人が次々と挨拶と握手をしにくる……。とても仕事どころじゃないですよ」

 朝礼も異様だ。

「まずは一斉に拍手から。顔の前で、全力の笑顔で行う『情熱拍手』。次に『ハッピー、ハッピー!』と歌いながら笑顔で踊る『幸せ体操』。誕生日の社員がいれば、ギターを持ち出してオリジナルソングでお祝いされ、洞察力を養うという名目の『熱血じゃんけん』など、朝から不思議なルールのオンパレードでした」

ポエム化

過剰なストレスから、うつ症状と蕁麻疹が発症した田中さん。精神安定剤や睡眠導入剤などを今も飲み続けている

 そんな不思議さは朝だけにとどまらない。

「お客さまが来社したら、作業を止めて『いらっしゃいませ!』と大声で挨拶。いちいち仕事をする手を止めなければならないので効率が悪いこと、この上ない。あとは、年に22回、ボランティアとして小学校のトイレを素手で掃除します。一応、希望者のみでしたが、参加しないと査定が悪くなるのでほぼ強制参加でした」

 最終的にはストレスがたまりすぎて軽いうつ症状に蕁麻疹まで発症し、退職を決めたとか。

― [ポエム化する日本企業]急増中【2】 ―

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