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故人のケータイ・スマホのパスワードは解除できる?

「終活」の発想もないまま、30~40代の若さで突然亡くなった人々の周囲では予期せぬトラブルが発生している。今や誰もが人目に晒したくない何かをパソコンやスマホの中に抱え、その「何か」が、実害を及ぼすケースも少なくない。死後にムダな恥をかかないためにも、即刻デジタル周りの管理体制を見直せ! ◆「パスワード」は本当に安全なのか? デジタル終活 世の男性陣が実際にとっているセキュリティ対策についてアンケートで聞いてみると(回答者100人)、「何もしていない」が24%と実にお粗末。「自分しか知らないログインパスワードをかけている」は、パソコンで52%、ケータイ・スマホで43%の男性が実践していたが、これしきで安心するのは大間違い。  当然ながら、遺族の大半は思いつく限りのパスワードを試すので、誕生日とかケータイ番号の下4桁なんかはまずアウト。かといって、「オレは10桁のパスワードをかけているぜ!」という人も過信は禁物だ。遺品整理を手掛ける「キーパーズ」の吉田太一社長によると「パスワードがかかっているパソコンでも、セーフモードで起動すれば9割がた中を見ることができる」。というわけで、パソコンの中身を見られたくない場合は、ログインパスワードに頼らずパソコン内部での対策が必須だ。  とはいえ、真に警戒すべきはパソコンではない。遺族は「連絡先」や「思い出の写真」を見たがっている。いずれも、ケータイやスマホのほうが探しやすいだろう。前出の吉田氏も、遺族の関心は圧倒的に携帯端末のほうが高いと話す。  スマホやケータイにはセーフモードのような機能がないため、ログインパスワードを設定しておけば、それなりに強力な防波堤になる(無論、誕生日などのイージーな設定はアウト)。では、それでもあきらめない遺族が、キャリアのサポートに端末を持ち込んだら?  各キャリアの公式見解は下記のとおり。ガラケーはともかく、スマホについては「基本的にパスワードは解除してもらえない」ので、まずは安心。とはいえ、なんとなく「遺族が窓口担当者に泣きつけば、なんとかしてくれちゃうのでは……」と思わせるキャリアも。  そこで、さらなる安心度を求めるなら、オススメなのが「パスワードを10回間違えると端末が初期化される」というiPhoneの機能(一般的には「ローカルワイプ機能」と呼ばれる)。なお、この機能は今のところ、Android端末には標準搭載されていない。 Q:故人のデジタル機器にパスワードがかかっていたら、どこまで頑張る? ※20代~30代の女性に対して行ったアンケート(回答者数235人)で「故人のデジタル機器にアクセスする」と答えた169人中の割合 ●「すぐにあきらめる」10% ●「故人の生年月日など、思いつく限りのパスワードを試す」65% ●「メーカーのサポートに相談」18% ●「パソコンに詳しい友人・知人に見てもらう」0% ●「専門家(有料)に見てもらう」7% Q:故人のケータイ・スマホのパスワードは解除できる? 【NTTドコモ】 遺族が端末を引き継ぐ「承継手続き」を取れば、フィーチャーフォンは機種次第ではデータ閲覧可能。スマホに関しては、ほぼ不可能 【au】 「承継手続き」をすれば、遺族が端末を引き継ぐことはできるが、ロック解除後にすべてのデータをオールリセットすることが前提となる 【ソフトバンク】 端末暗証番号は、端末側に物理的にかけられたパスコードなのでカスタマーセンターでは照会・解除不可。たとえ本人でも照会できない 【ウィルコム】 端末暗証番号は、端末側に物理的にかけられたパスコードなのでカスタマーセンターでは照会・解除不可。たとえ本人でも照会できない ― 35歳から始める[デジタル終活]完全ガイド【1】 ―
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