エンタメ

「あまロス」「タモロス」に続く“ロス”は「ラスイニロス」だ!

―[山田ゴメス]―
スピリッツ

これがゴメス最後のスピリッツ……

「あま」に「タモ」に……と、いろんな“ロス”が世間で騒がれているが、コアな一部の野球ファンのあいだで、そんなロスとは比べものにならない大きなロスが蔓延しつつあるのを皆さんはご存じだろうか? そう。その名も「ラスイニロス」! 正体は果たして……!?  僕は今、猛烈に打ちひしがれている……。ビッグコミック・スピリッツの19号(4/21日号)で、あの『ラストイニング』が、とうとう連載終了してしまったのだ! 『ラストイニング』とは、伝説の(野球賭博)ハンデ師に弟子入りしたのち、ヤクザとのトラブルで破門となり、インチキセールスマンで食いつないでいた半グレの元高校球児が、ひょんなきっかけで母校の野球部監督を務めることになって、その弱小校が地区予選を勝ち抜き、甲子園でも旋風を巻き起こす過程を描いた高校野球漫画である。  ストーリー運びの上手さは言うまでもなく、プレイ中のフォームやしぐさを圧倒的な画力で冷徹に再現し、緻密かつ、我々のような草レベルでもすぐ実践できる、目からウロコの野球理論が随所に散りばめられた、野球ファンにとっては、まさに美味しいとこだらけの名作であった(プロ球界にも熱狂的なラスイニファンは多いと聞く)。  もちろん、単行本は全部持っている(現在〜42巻)。どう少なく見積もっても50回は読み返しているに違いない。SPA!の編集部にも2人ほど、ラスイニを読むためだけに、なにか理由をつけてはウチに泊まりに来る輩が実在する。
ラストイニング

『ラストイニング』の最新巻(42巻/小学館)

 少しでも早く、次はどうなるのかを知りたいがため、スピリッツは毎週月曜、朝起きたら即、デイリースポーツと一緒に購入し、ドトールで最低3度は読み返す……そんなささやかなルーティンワークを毎週、繰り返してきた。  スピリッツは読まずに単行本の最新巻を心待ちにしている男子も多いので、あえてここで結末は書かないが、かなり僕的には意表を突かれた終わり方であった。え~! こう終わっちゃうの!?  もしかすると、「甲子園編の次があるんじゃないか?」とは、秘かに期待していた……のだけれど、その切実な想いは脆くも裏切られてしまった。おそらく、作者の中原祐さんも、すべてを出し切っての終了だったんだろう。  結末自体に文句はない。リアリティーという意味では、むしろ完ペキなクライマックスだったのかもしれない。が、私はこれから、なにを楽しみに週の始まりを迎えればよいのか? もう今週からスピリッツを買うことも、多分、いや、確実にない。小学館さん、部数絶対落ちるから! そして、僕と同様、只今放心状態に陥っている野球人は……千人単位程度じゃ間違いなく済まないハズである。中原先生、どうもお疲れさまでした! <取材・文/山田ゴメス> 【山田ゴメス】 1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。また『解決!ナイナイアンサー』のクセ者相談員の一人でもある。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。著書『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!
―[山田ゴメス]―
大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート