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日本パンク・シーンの“生ける伝説”横山健、初の著書は「随感随筆」

横山健 随感随筆編

『横山健 随感随筆編』(育鵬社)

 バンド「Ken Yokoyama」のフロントマン、そして、再始動したHi‐STANDARDのギタリストとして日本のパンクロック・シーンを牽引し続ける横山健が、初の著書『横山健 随感随筆編』(育鵬社)を上梓した。同書は、彼が社長を勤めるレーベル「ピザ・オブ・デス・レコーズ」のオフィシャルHP (http://www.pizzaofdeath.com/)内で十余年にわたって書き続けている「横山健の別に危なくないコラム」を大幅加筆したもの。「発信者として」「親として、家族として」「ミュージシャンとして、ギタリストとして」「日本人として」という4つのテーマに沿って編まれている。 「いずれはいなくなる『横山健っていう一人のややこしい男』の想いや考えを、ちょっと変わったミュージシャンの無様な発信や闘いを、形にして残しておくチャンスを戴いたので、残しておきたい」(「イントロ」より)  本書を出版した動機をそう書き記す横山健。3.11の震災後、彼はミュージシャンとして被災地の人々に何ができるか、原発についてどのように考えるのか、日本人としてどう生きるのかと「音楽にできる支援、復興」を考え、被災地のツアーを敢行。’12年には東北での音楽フェス「AIR JAM」もHi‐STANDARDのメンバーとともに実現させた。そんな活動はどんな思いから生まれてくるものなのか。音楽やギター、バンド、さらに2児の父親として思う家族のこと……。さまざまなテーマを赤裸々に語る本書からは、そんな彼の信念を垣間見ることができる。 「30代から40代にかけての男が政治に意見を持つことは,いたって当然のことなんです。だから、オレよく言うんですけど、『政治の話をしているつもりはない、オレたちの生活の話をしているんだ』って」(同)

撮影/Teppei Kishida

 ただ、そのような発言に、「ミュージシャンは音楽だけやっていてくれ」「自分の影響力を認識してから発言しろ」など、一部からは反発も受けたという。それでも横山健は発言を止めなかった。 「主張があり、姿勢があるのが『ロック』だ。(中略)オレが聴いて育った曲からは、ミュージシャンの立ち方、振る舞い方、発言、思想に勇気をもらった。『人生の大事なもの』のほとんどすべてを教えてもらったと言ってもいい。そしてオレ自身が、そういうミュージシャンになりたいと志すようになったんだ。曲はもちろんのこと、存在や発言、発信の仕方や生きざまでも勇気を与えたい」(特別書き下ろし「横山健からの手紙」より)  タイトルの「随感随筆」とは、「思うまま感じるままに書き付ける」という意味。まさに横山健の「生きざま」が刻み込まれた言葉の数々を噛み締めたい。 <取材・文/日刊SPA!取材班> ●『横山健 随感随筆編 育鵬社より5月15日発売。1500円(税別)。また、本書との連動企画で5月17日(土)18日(日)にはCS放送フジテレビNEXT ライブプレミアムで2夜連続、「横山 健 随感随想編 対談集」も放映。山本KID徳郁、箭内道彦、佐藤 隆太、田村淳という豪華ゲストと横山健が、音楽、家族、表現者,そして震災と日本について語り尽くす。こちらも必見!
横山健 随感随筆編

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