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与沢翼さんに助言!秒速で“1円稼ぐ”トレード

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その16 ―

与沢翼さんに助言!秒速で1円稼ぐトレード(イメージ写真)

※写真はイメージです

「秒速で1億円稼ぐ」と話題になった与沢翼さんが、3億円の資金がショートして破産状態だという。与沢さんの理論なら、3秒ぐらいで3億円稼げるはずなんだけどなあ、ちょっと風呂敷でかく広げちゃったみたいですね。  というわけで、与沢さんの失敗を教訓として、新たに名づけたのが「秒速で1円稼ぐトレード」だ。1秒1円ってところが、超貧乏臭くていいでしょう。でも、チリも積もれば山となるですよ。1秒1円は1時間あたり3600円。株の取引時間、ザラ場は5時間なので1日実践すれば、日給1万8000円だ。  実際1年間、この秒速1円トレードをやってみて、40万円の資金が現在260万円になっている。1か月あたりの稼ぎが約18万円と、ぴったり秒速理論に符号するから不思議ですね。  その超貧乏トレードの全容をこれから紹介したいが、まずは、なぜ素人は相場で負けるのかって話をしたい。  そもそも素人でもバカでも勝てる相場というのは、10年に1回ぐらいしかない。2005年の秋は、買えばなんでも上がる神風相場だった。そこで株雑誌ブームが起きた。カリスマトレーダーという人たちがモテはやされたりもした。けど栄華は続かず、翌年早々とライブドアショックが起こり、株価は乱高下したんだけどね。  アベノミクスも同様に2012年の年末から2013年の4月までは、どんなアホでも買えばほぼ必ず勝てたが、後はどんづまり。2013年は、5月から下落が始まり、長いボックス相場が続き、上がったのは年末のみ。今年に至っては、2月の大暴落の後遺症が未だ尾を引いて、夏枯れにならないことを祈るのみですわ。  そんなわけでアベノミクスの美味しい部分は、去年の5月に終わっていた。あとは乱高下のなか、いかに利益を積み重ねて行くかという非常に難しい相場で生き残るしかない。だから素人は、手を出さない方がいいのだ。  株のビギナーがなぜ負けるか。それは損切りが出来ないからである。損切りとは、例えば20万円で買った銘柄が、ものの5分で19万5000円ぐらいに下落したとき、迷わず損を覚悟で売れるかということだ。  デイトレ以外の、スイングトレードでも同様で、買った株を2~3日持っていたら20万円が18万円に目減りした。これは今が底なんだと、わけのわからない論理を展開して放置したら、今度は16万円に下がったとかね。こういう場合は、さっさと売るしかないんですね。  なんで損切りができないか。それは上がると思って買った株が、逆の動きをし、頭が混乱するからだ。頭は儲けることで一杯なのに、急に損をする行為をするのは、精神的にとても辛い。  真逆の行為は、人間にとって苦痛である。例えば絶対あり得ないけど、佐々木希に「大好き~付き合って下さい」とメールをもらったときに「お前なんて嫌いだ、バカ」って返事を返せるか? できないだろう。そういうことを損切りは強いている。だから、素人にはできないのだ。  そういう私も、過去には損切りできずに、持ってしまったことが多々あった。2005年から2012年まで株取引をして、トータル1000万円ぐらい溶かしたけれど、それは全て損切りができなかったからである。  ところがここ1年、連戦連勝なのは、強制損切りをせざる負えないトレードを開始したからだ。  松井証券の「1日信用」という取引でやっているが、それは基本持ち越しができない。厳密には可能だが、結構高い手数料を取られるので、やはりその日に、手じまいせざる負えない。そうなると、必然的に損切りをするようになり、次第に利益が損を上回るようになった。加えて1日信用取引は、手数料無料で、貸し株代のみとなっているのも嬉しい。昔は2万円勝って、手数料が1万5000円とかで、手元に5000円しか残らない、そんなトレードをしてて、俗に言う手数料貧乏状態が続いたのだ。  しかも2013年から信用無限回転売買が可能となり、40万円でも買ったらすぐ売るトレードを繰り返せば、1日2000万円ぐらい取引ができる。余分なお金は、沢山の株を一気に買うこととなり、貧乏性の私は、逆に負けることが多かった。つまり40万円でトレードするなら勝てるが、100万円を元手にすると、大きく勝たなきゃと思って、むしろ負けてしまうのだ。  昔、とある水族館に人気者の「はっちゃん」というイルカがいたそうだ。狭いプールを8の字に泳ぐのが得意で、子供達の人気者になっていた。  しばらく経って気づくと、はっちゃんの年齢も人間で言うところの老人になっていた。水族館のスタッフは、最後ぐらい広い海で自由に泳がせようと、はっちゃんを海に放した。しかし、はっちゃんは、遠くへ行こうとせずに周りをうろうろしているばかり。よく見るとはっちゃんは、長い水族館生活で染みついた、8の字泳法しか出来ない体になっていたのだ。が~ん、スタッフはあまりのショックに、仕方なくはっちゃんを回収して水族館に戻したとか。
木村和久

木村和久

 まあね、今の元手40万円の秒速1円トレードが、8の字はっちゃんに、ならないことを祈るばかりです。また動きがあったら報告します。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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