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定番か季節限定か。ペットボトル飲料新商品の開発事情とは?

綾鷹

夏の新商品が多数登場。定番か季節限定か

 夏に向けてペットボトル飲料の新商品が続々登場している。新商品のラインナップをみてみると、夏ならではの材料や清涼感を売りにした商品、定番商品の別バージョンやリニューアル商品などさまざま。こうした商品は、その後も定番商品として残るのか、それとも一時期だけの限定となるのか、メーカーはどのような戦略で商品開発を行っているのだろうか? 飲料大手の日本コカ・コーラに聞いてみた。  話を聞いたのは、6月23日に発売開始となったばかりの『綾鷹まろやか仕立て』の担当者。まずは、発売8年目の定番商品『綾鷹』の開発背景から。 「弊社は『綾鷹』発売前にも、季節限定、期間限定の緑茶飲料を発売していましたが、他社に歴史ある商品が多数あり、なかなか定番商品となる緑茶ブランドを確立できずにいました。そこで、宇治の老舗茶舗、創業450年の上林春松本店の協力を得て『綾鷹』を開発しました」  コンセプトである“急須でいれたような緑茶の味わい”を目指した『綾鷹』はヒットしたが、担当者は「簡単に定着するものだとは思っていませんでした」と厳しい評価でブランドの成長をじっくりと進めた。そして、8年の月日が流れ、満を持して、今年ようやくもう一つの柱となる『綾鷹まろやか仕立て』を登場させた。
「綾鷹まろやか仕立て」と「綾鷹」

新発売の「綾鷹まろやか仕立て」と「綾鷹」

「『綾鷹』は“旨みとほどよい渋味”のバランスにこだわった商品で、『綾鷹まろやか仕立て』は、“甘みとすっきりした後味”が特徴です。緑茶は、嗜好性が高く、好みも分かれるものなので、そのバランス、味の表現に苦労しました」  基本的なコンセプト“急須でいれたような緑茶の味わい”は変えず、お茶の味わいのバリエーションを増やしたのだ。新商品の甘みが、お茶の甘みやすっきりした後味を好む人たちに受け入れられれば、次なる定番商品になるかもしれない。 「本来、急須のお茶は、茶葉の種類やお湯の温度、抽出時間を変えることで、さまざまな味わいを楽しめるものです。かつて季節や気分に合わせてお茶を楽しんでいたように、その味わいの奥深さを、『綾鷹』と『綾鷹まろやか仕立て』で楽しんでもらえれば」
日本コカ・コーラの宗方亮さん

日本コカ・コーラの宗方亮さん

 この夏の新商品といえば、「冷やし」、「香ばし」、「キレの」といったネーミングの季節限定品が目立つなかで、新たな定番化を目指し新しい味わいの提案を行う『綾鷹まろやか仕立て』のような商品もあるのだ。 「発売から8年が経ち、『綾鷹』というお茶の柱ができたことで、今度はそれに続く2本目の柱として『綾鷹まろやか仕立て』を発売することができました。“急須でいれたような緑茶の味わい”を、より多くの方に味わっていただければと思っています」  定番商品として定着するのか。コンビニやスーパーなどの限られた棚スペースを巡って、この夏も熱い戦いが繰り広げられる。 <取材・文・撮影/日刊SPA!取材班>
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