コピー用紙のため伐採される天然林【インドネシア自然破壊問題】

ニホンウナギの絶滅危惧種指定が話題になっているが、絶滅しそうなのはウナギだけではない。実は1年に4万種という、恐竜絶滅期以上の超スピードで“種の絶滅”が進んでいることが判明。人類は、史上最悪の“第6の大絶滅期”真っただ中にいたのだった!

◆コピー用紙のために天然林を伐採【森林破壊】

インドネシア・南ロンボク

インドネシア・南ロンボクの禿げ山

 世界でも急速に森林減少が進んでいるのがインドネシア。米メリーランド大学の研究によれば、’00年から’12年にかけて失われた森林面積は15万8000平方キロメートル。本州の7割に相当する規模だ。現地団体と共に森林破壊について調査・提言を行っているNGO「熱帯林行動ネットワーク」(JATAN)運営委員の川上豊幸氏は「食品や洗剤の原料となるパーム油のためのアブラヤシ、紙パルプ生産のためのユーカリやアカシアのプランテーション開発で、天然林が次々に破壊されています」と語る。

「プランテーションでは森林はあっても、自然の環境とは異なるため、野生生物は生きていけません。例えば、ボルネオ島のスマトラサイはほとんど幻の存在となっています。ボルネオ島北東部に生息するボルネオゾウも、1600頭程度が残るのみ。そのほかテングザルやテナガザル、スローロリスなど11種のサル、54種のチョウが絶滅危惧種となっています」

 JATAN運営委員で、昨年、ボルネオ島・タンジュンプティ国立公園周辺を訪れた中司喬之氏は現地の様子をこう語る。

オランウータン

開発の進む土地をさまようオランウータン。本来は森林の奥深くでひっそりと暮らす動物だが、開発で生活の場を失った。プランテーション業者に見つかれば「害獣」として殺される恐れも

「国立公園は保護されているものの、その周囲では大規模なパーム油プランテーションの開発が進んでいます。この一帯はインドネシアの中でもオランウータンが最も多く生息する地域で、開発の影響が心配されています。現地NGOの人々が森林から追われたオランウータンを救出していますが『助け出しても帰す森がない。保護センターも既にいっぱいで、受け入れ先がない』と嘆いていました」

 川上氏はこう語る。

「インドネシアのスマトラ島の森林は、’85~’12年に紙パルププランテーションのために半分以下にまで減少してしまいました。絶滅危惧種のスマトラトラは、森林伐採や密猟のため、まさに絶滅寸前。特に森林破壊が激しいリアウ州では、スマトラトラやスマトラゾウの生息地であった天然林が、沖縄本島の倍近い3200平方キロメートルも破壊されています。森が失われたことで人間との接触が増え、そのためにトラに住民が殺されたり、トラが住民に殺されるという軋轢も生まれています。

 現在、日本で使われているコピー用紙のうち3割が輸入品で、そのうち8割がインドネシア産となっています。日本のコピー用紙需要が、トラやゾウの生息地を狭めているのです。JATANとしても、こうした問題をもっと知ってもらい、日本の企業や個人の方々にも、そうしたことを考えたうえでコピー用紙を選んでもらえるよう呼びかけています」

「地球の肺」と言われる熱帯林。

「国立環境研究所」は「熱帯林が失われたら、地球温暖化はますます進行する」「乾燥化が進み異常気象が頻発する恐れもある」として、熱帯林の保全の重要性を訴えている。熱帯林を守ることは、人類にとっても重要なことなのだ。

― 人類は[絶滅期]を迎えていた!【2】 ―

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