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「脱法ドラッグをやると運転したくなる説」は本当か?

「脱法ドラッグをやると運転したくなる」は本当か?

写真は実際の事故現場。ドラッグ使用の証拠や死傷者が出なければ、発覚しないケースも多いという

 警察庁が「危険ドラッグ」という新呼称を発表するなど、大きな社会問題となっている脱法ドラッグ。そのきっかけとなった6月の東京都・池袋駅付近で発生した交通事故のように、脱法ドラッグを服用した運転手による事故が近年、急増している。  警察庁の発表によると、摘発数は’09~’11年まではゼロだったが、‘12年に19人、昨年は40人となっている。一説では「脱法ドラッグをやると運転がしたくなる」とも言われるが、真相はどうなのか?  ある使用者は、「アッパー系なら気持ちが高ぶるのはわかりますが、とてもじゃないが、まともに運転できないのは皆がわかっているはずなんですけどね」と否定する。だが実際に事故を起こしたことのある飯塚正文さん(仮名・28歳)は「脱法ドラッグをやると、車に乗ってどこまでも行けてしまう気がするんですよね。2時間くらいアクセルを踏み続けて“無我の境地”で高速をブッ飛ばすんですが、自分じゃ止められないんですよ」と証言してくれた。  各事件の報道によると、途中で意識を失うケースも多いが……。 「運転中、眠気が襲ってきたときに覚醒作用のあるドラッグをやることは多い。クスリが切れたら元の状態に戻るので、意識が落ちるんだと思います」(飯塚氏)。  同じく脱法ドラッグ経験者の田中康人さん(仮名・38歳)も語る。 「一度だけ、クルマで脱法ドラッグを買いに行った帰りに吸ってしまったんですが、あまりに運転が捗る(気がした)ので、途中で怖くなって路肩に車を止めて休んでいたんです。すると職務質問されて警察署に連行、何時間も尋問されたうえに下着の中まで見られてしまいまして……もう二度としないと誓いましたね。そのときの気分? ワケがわからなかったです」  ワケがわからないのは、田中さんのほうである。  彼らの無責任な行為によって、無関係の通行人が犠牲になることは許しがたい。今後は罪状確定と同時に運転免許も剥奪するなど、法改正も含めた厳しい処置を望みたい。 ※週刊SPA!7/29発売号では「“危険”でもやめない[脱法ドラック常用者]の主張」という特集を掲載中。 <取材・文・写真/クロマティ長嶋>
週刊SPA!8/5号(7/29発売)

表紙の人/吉本実憂

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