ジョブズ氏 最後の極秘来日で起こった“事件”【後編】

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この騒動に関して取材を進めると、関空関係者からも同様の証言が得られた。

「昨年の7月末、ジョブズ氏は確かにプライベートジェットで当空港を利用している。また、ジョブズ氏が離日した日に、プライベートジェットを利用した外国人のお客さまから、手荷物の持ち込み規制に関し、クレームを受けたという保安係員からの報告も上がってきています。プライベートジェットは頻繁に飛んでいませんから、この人物がジョブズ氏だった可能性は高いでしょう。また、問題となった手荷物が手裏剣かどうかまで承知してませんが、本人がその場で、自主放棄したのなら、すでに廃棄処分されているはずです」

ジョブズ氏アニメ

画像は、今回の記事を読んだ台湾のTV局が勝手にアニメ化したもの。京都で手裏剣を購入してウキウキのジョブズ氏(あくまでイメージです)

ちなみに、京都市内のある骨董店によると、手裏剣は市内の繁華街・新京極や太秦映画村などの土産物店で買うことが可能だが、すべてイミテーション。 刃渡り5.5cm以上の手裏剣の販売は銃刀法で禁止されており、表立っては販売できないのだという。

一方、ジョブズ氏来日を知る在阪社会部記者はこう解説する。

「騒いだのはジョブズ氏本人ではなく、随行のエージェントという説もある。ともあれ、機内持ち込みが禁じられるものは、IATA(国際航空運送協会)の危険物規則書によって国際的に規定されているので、各国とも事情は同じ。世界共通のルールです」

◆融通の利かない人間をもっとも嫌った

プライベートジェットで各国を飛び回るジョブズ氏が、そんな世界の“常識”を知らなかったはずはない。では一体、ジョブズ一行を怒らせたのは何だったのだろうか。 国交省航空保安対策室に話を聞いてみた。

「海外主要空港の多くは、プライベートジェットの搭乗者には専用の搭乗ルートが用意されており、一般旅客機の搭乗者とは完全に隔離されている。しかし、そうした設備のない関西国際空港では、事前に政府から要請のあった国賓を除き、セキュリティチェックと出国手続きを経て搭乗口に至るまで、プライベートジェットと一般旅客機の搭乗者は区別されず、同じ動線を進む。確かに自分のプライベートジェットにテロをする人はいないという道理は理解できますが、出発ロビーを危険物のない完全なクリーンエリアにするため、一般搭乗者と同じセキュリティチェックを受けてもらう必要があるんです」

つまり、ジョブズ氏はVIPを受け入れる体制が整っていない日本の航空行政に対して怒っていたともいえるのだ。林氏はジョブズ氏の気持ちをこう推測する。

「ジョブズ氏は過去、固定観念から脱することのできない日本の家電メーカーについて『海岸を埋め尽くす死んだ魚』と表現したことがある。ジョブズは頭が切れる人を重用する一方、頭がカタい、融通の利かない、いわばマヌケな人々とかかわることを極度に嫌いました。あまりに杓子定規な対応に怒ったんでしょう」

ジョブズ氏は日本人の融通の利かない対応に愛想を尽かしたというわけだ。

⇒ジョブズ氏のプライベートジェットに隠された秘密

取材・文/週刊SPA!編集部

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