就労環境に難癖つけて金銭を請求…「労務ゴロ」が急増中

1人の出入り業者によって持ち出された個人情報により、200億円もの損害を被ったベネッセコーポレーションを引き合いに出すまでもなく、いつの世にも、どんな組織にも不良社員は存在する。個人情報や企業情報の漏洩、商品の横流し、収賄にキックバック……その手口はさまざまだ。サラリーマンとして越えてはいけないラインを軽々とまたぐ“脱法社員”の生態に迫った!

◆人材不足の介護業界で“労務ゴロ”が急増中

野崎大輔氏

野崎大輔氏

 脱法社員の温床となる業界には共通項がある。

「飲食や建築など、人材不足の業界で労使トラブルが増加傾向にあります。最近目立つのは介護ですね」と語るのは、特定社会保険労務士として問題社員の対策に携わる野崎大輔氏だ。多くの介護施設では、労務管理の知識に詳しい人事スタッフを雇用することが難しい。無知につけこんで就労環境に難癖をつけて金銭をせしめるゴロツキ、通称「労務ゴロ」が増加しているのだとか。

「彼らは“こういう仕事ができます”“やる気があります”と見せかけて面接をクリアするものの、実際に採用してみるとまったく使えないということがある。努力もせずに試用期間の3か月が経過するのを待って“無理やり辞めさせられた”“安全管理が杜撰で怪我をした”などと、大袈裟に話を作り上げて労働組合に駆け込み、解決金という名の金銭を請求してくる。相場は給料の1~3か月分。面倒なことから早く手を引きたいと、支払いに応じてしまう経営者も少なくないんです」

 労務ゴロがやっかいな点は、こうした行為を辞めた後も他社で繰り返すことだ。

「彼らはインターネット等で労働基準法を勉強し、企業側よりもはるかに詳しくなっている。そのため、どんな些細なことでも訴える材料にしてしまうんです。先ほども言いましたが、彼らは仕事はできないので、メッキが剥げてバレる前に自分から行動を起こすんです。つまり、うまいこと会社に潜り込んで試用期間が過ぎたら訴える、この一連の流れが彼らにとっては仕事なんですよ」

 中には、まったく別の企業から相談を受けた労務ゴロが、同一人物のケースも存在するのだとか。ならば、ブラックリストを作成すれば採用の時点で未然に防げそうなものだが、そうもいかない。

「労働基準法第22条で、労働や採用に支障をきたすようなものを作成して回覧してはいけない、と定められている。労働者の就職を妨害させないためにできたものなのですが、これが労務ゴロを減らせないひとつの理由になっている」

 労務ゴロのこうした行為は、罰せられることはまずない。法を犯さずに都合よく利益を得る。まさに、脱法社員といえるのだ。

【野崎大輔氏】
特定社会保険労務士。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える問題社員50の対処術』(小学館集英社プロダクション)

取材・文/SPA!脱法社員調査団 撮影/保坂駱駝 イラスト/西アズナブル
― [脱法サラリーマン]の悪知恵白書【6】 ―

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