イタリアンが「かなりの高利益率業態」なワケ
―[[外食店の原価]教えます]―
一般的に30%が目安だといわれる外食店の原価率。昨今の“コスパ志向”の高まりや原価率35%を超える高原価店の繁盛も相まって注目を集めることも増えた「原価」だが、さまざまな要素が複雑に絡み合って成り立っており、その世界は実に奥深い。原価を知ると、普段、なにげなく利用している外食店の知られざる新たな一面が見えてくる
◆ピザやパスタを注文する際には「具だくさん」を<イタリアンの原価>
他の飲食店よりも、ちょっとお高くオシャレな印象があるイタリアン。だが、その実態は、実はかなりの高利益率業態らしい。
「主力メニューであるピザやパスタは原材料が小麦粉なので、具に高級食材を使わない限り、1皿あたりの原価はかなり安いんです。例えば、ペペロンチーノなどシンプルな具材だけを使用したメニューなら、1品あたりの原価は100円程度。それを700円ぐらいで提供するので、原価率15%以下のメニューなんてザラにありますよ」(イタリアン元店主)
パスタやピザを頼むなら、できるだけ具だくさんなものを頼むほうがお得ということ。しかし、当然ながらイタリアンで提供されるすべてのメニューが低原価で成り立っているわけではない。
「例えば、サラダなど野菜を使った料理は、天候や季節の影響で仕入れ値が変動しやすいので、原価率も大幅に変わります。もともと1皿150円程度で計算していたサラダが、天候不順で400円近くの原価がかかることも。また、イタリアンは内装やアクセスがよくないとお客が集まらないので、食材よりも内装や立地に資金を注ぎ込む店も多いですね」
原価率の視点ではあまりお得とはいえないが、雰囲気や利便性を買っているのだと思えばそれも仕方ないのかもしれない。
※写真はイメージです
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