年収と幸せは比例しない!? 年収600万円でも不幸だと嘆くサラリーマンの実像

 まったく増える気配のないボクらの年収。吐き気がするほどの薄給に嫌気がさしている人も多いだろうが、一方で、「年収が高ければ高いほど幸せというわけではない」という考え方もある。

 身を粉にして働き、やっと手にした「そこそこな年収」が、なぜ幸せと直結しないのか? 経済ジャーナリストの木暮太一氏はこう解説する。

「商品に原価があるように労働にもコストがあり、『商品=利益』ではありません。あくまでも所得は売り上げ、それを得るためにかけた『肉体的・精神的コスト』をマイナスにしなくてはならない。いくら高年収でも激務でコストが甚大になった結果、それが赤字ならば、幸せになれるはずがありません」

 たとえば、年収600万円という「そこそこ高年収」でも、幸せの逆転現象は起きている。ここでは、そのケースを紹介しよう。

●袴田陽介さん(仮名・37歳)
(職業:外資系食品メーカー/年収:660万円/独身)

年収600万円でも不幸だと嘆くサラリーマンの実像とは?

他者の同世代社員に比べ、高年収の外資系企業。「そのぶん短命ですし、ノルマや評価はきつい」とのこと

「東京の本社勤務になって年収600万円は超えましたが、そのぶん仕事はキツくなり、自宅に帰るのは毎日終電です」と話すのは、都内在住の会社員・袴田陽介さん(仮名)。本社勤務になってマネジメント、支社間の調整などの業務で多忙を極め、休日出勤も当たり前の生活を送っている。

「外資系のため、年収は他社より若干高いかもしれませんが、そのぶんのプレッシャーもスゴい。成果を常に求められ、同僚も後輩もライバル。その競争に耐えられず、辞めていく同僚社員を送り出すたび、さらに自分の仕事は増えていきました。終電でも終わらなかった仕事は自宅に持ち帰り、深夜2時まで作業。朝7時には通勤する生活がずっと続いています」

 支社時代から交際し、一緒に上京した24歳の彼女もいた。結婚を前提に同棲生活を送っていたが、あまりの多忙さと不規則な生活に破局を迎えてしまう。

「たまの休日も疲れて寝てばかりいましたからね。俺が相手をしなくても、楽しそうに出かけていたので、大丈夫だと放ったらかしにしていたんです。でも、ある日別れ話を切り出されて、理由を聞いたら『陽ちゃんの不規則な生活もイヤだったけど、東京って楽しいでしょ。なんか遊びたくなっちゃったんだよね』と、ほかに男ができたことが発覚したんです」

 失恋し、仕事のストレスもあってか、仕事終わりの一人ガールズバーが日課になってしまったという袴田さん。飲み代だけで月に10万円を超えるときもあるという。

「手取り25万円の支社時代は、本当に楽しかった。規則正しい生活をして彼女の手料理を食べ、休日はドライブデート。今は年収が増えたし、やりがいのある仕事を任せてもらえるけど、結局、増えたぶんの給料は生産性のないガールズバーに消えていく。忙しいとカネを使う暇がなく、貯金できるなんて嘘ですね」

 年収増で失ったものは大きいと語る袴田さん。だが、今は前向きに「年収600万円」の微妙な肩書を武器に、ガールズバーで彼女を探し中だ。

 9/9に発売された週刊SPA!に掲載されている特集『[年収400万円の幸せ]と[年収600万円の不幸]の境界線』では、上記のような「そこそこな年収でも不幸だと嘆く人々」だけでなく、「年収400万円でも幸せと断言する人々」が多数登場。決して強がりではない「年収400万円」の幸せも克明にリポートしている。

 また、「最も幸福度の高い年収はいくらなのか?」「年収400万円でも幸せに生きる方法」にも言及。ボクらの年収にまつわる悲喜こもごもを大特集している。 <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>

週刊SPA!9/16・23合併号(9/9発売)

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