大きな目玉はなくても、バラエティ豊かだったTGS2014【ゲームコラムニスト卯月鮎氏】

過去最多となる421の企業と団体が出展。来場者数も歴代2位の25万1832人を記録した「東京ゲームショウ2014」(TGS)を振り返る ◆ゲームコラムニストが見たTGS2014の傾向<卯月鮎氏>
卯月鮎氏

卯月鮎氏

 今年は、新ハードのお披露目という大きな柱がない代わりに、さまざまな切り口でゲームの楽しみ方を提案する、バラエティ豊かなTGSになりました。これまでが大手ブランドが並ぶデパートだとしたら、今年は屋台街や海外の市の熱気といったところでしょうか。  ここ数年、顕著だった「スマホVS家庭用ゲーム機」という対立構造も目立たなくなり、スマホ、家庭用、PCのそれぞれのタイトルがナチュラルに混在する様子が印象的でした。今後は、スマホ配信と家庭用ゲーム機での販売を同時に展開する、ハイブリッドなタイトルも増えてきそうです。  今年は、バーチャルリアリティを掲げたHMDとゲーム実況が話題でしたが、両者に共通するのは「ゲームプレイの視点の変化」。HMDは現実世界とゲーム世界を切り離す存在。一方、ゲーム実況は一歩引いて観察し、外の世界と共有する。楽しみたいスタイルによって、ゲームとの距離を選ぶ時代に入ってきたようです。何を遊ぶかではなく、どう遊ぶかが、2015年のテーマになるでしょう。 取材・文/卯月 鮎 撮影/林 健太 我妻慶一(本誌) ― 東京ゲームショウ2014おさらい【4】 ―
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