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伊豆で“地獄”を見る!「伊豆極楽苑」が面白い

年々増加傾向にある博物館。中には、そのテーマや偏愛っぷりが来館者を楽しませてくれるところも少なくない。そんな、マニアも喜ぶ博物館を紹介。学問の秋を満喫しよう ◆博物館の宝庫!伊豆半島を巡る日帰り旅【後編】  今回は「車で走るだけで次々と変な施設が現れる珍スポットの宝庫」という伊豆半島で、4館を巡るロケを敢行! ⇒【前編】『秋の行楽にオススメ!? 伊豆半島は「珍博物館」の宝庫』では3館、「まぼろし博覧会」「ねこの博物館」「怪しい少年少女博物館」を紹介(https://nikkan-spa.jp/728093)  そして最後は、「展示の残酷でおどろおどろしいムードと、オーナーの奥さまが地獄を解説するほのぼのムードのギャップがたまらない」とフリーライターの大竹敏之氏が推す伊豆極楽苑へ。
伊豆極楽苑

伊豆極楽苑

 まずは噂の奥さまの説明からスタート。「人間の死亡率は100%です!」「グータラな生活をする人は畜生界、怒ってばかりの人は阿修羅界に生まれ変わります」と砕けた調子で話したかと思えば、「三途の川には3つの渡り方のほか、鬼にお金を払って渡る方法もあります。ここから『地獄の沙汰も金次第』という言葉が生まれました」
伊豆極楽苑

展示の世界観は平安中期の僧、源信が記した『往生要集』がもと。最初に丁寧な説明あり

 と、ためになる知識を披露したりと、話が抜群におもしろい! ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=732785  そして展示スペースは阿鼻叫喚の世界。親に先立って死んだ報いで苦を受ける「賽の河原」の子供、閻魔大王の前で舌を抜かれる人、「食べ物は糞尿」という餓鬼界など、死後の世界がグロテスクなビジュアルで再現されているのだ!  展示が「地獄」に突入すると、陰惨さはアップ。串刺し、火あぶり、釜ゆで、皮を剥がれて肉ダンゴ……と血みどろな地獄絵図が次々と繰り広げられる。そんな中でも奥さまは、「人形は家族の手作りで、最初はカーネル・サンダースの人形を作る工房に作り方を教わりました」「この鬼はウルトラマンを意識して作りました」みたいな話をしてくれるので、怖がりつつも時には笑ってしまうのだ。
伊豆極楽苑

地獄の最後では「お名残りおしいけど さようなら」とギャル風の鬼が笑顔でお見送り

 最後には極楽の世界へ到達し、地獄を見た後なのでさすがに救われた気分に。なお極楽の世界の説明も「温度ハワイと同じ。寿命永遠。家賃、敷金、礼金ナシ……」といった名調子である。  なお隣接した場所には秘宝展なる展示も。「男女の交合こそが即身成仏。本当の極楽浄土」と説き、平安末期の伊豆で流行した「真言立川流」の考えに基づくものだそう。ペニスカップの説明が「小さすぎて俺のムスコが入らねえなあ」、木製の男根の説明が「楊貴妃ご愛用かも?」と、ノリが東スポに近いのが気になったが、訪れれば極楽へ近づける……と思う! ●伊豆極楽苑 300体以上の人形を使ったジオラマで地獄と極楽を再現。展示物は現オーナーのお父さんを中心に家族で手作りしたもの。秘宝展は18歳以下は入場不可。500円(秘宝展込みは700円)、静岡県伊豆市下船原370-1、木休 【大竹敏之氏】 名古屋ネタライター。『東海発バカルト紀行』、『東海珍名所九十九ヶ所巡り』など珍スポット本のほか、名古屋メシの著作も多数。近著に『コンクリート魂 浅野祥雲大全』 ― 全国[(珍)博物館]に行ってみた【6】 ―
コンクリート魂 浅野祥雲大全

反骨のコンクリ仏師、祥雲のコンクリ像758体掲載

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