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ジャパン・クオリティの電動バイクを世界に。社員25名で熱く燃えるベンチャー企業

「日本のモノ作りが危うい」との言説を蹴散らすかのごとく、日本発の家電メーカーが世界市場で躍進している。その潮流を追った。 ◆ジャパンクオリティの電動バイクを世界に広げる
大橋哲也さん

大橋哲也さん

 国内最大の電動バイクメーカー「テラモーターズ」は、渋谷のビルの一室に居を構える社員25人のベンチャー企業だ。成功へのハードルが高そうな製造業、なかでもバイク市場で勝機があると考えた理由はどこにあるのか。 「世界のバイク市場で7~8割のシェアを持つ日系のバイクメーカーが本気を出して電動バイクを作っていない。つまりビッグプレーヤーが不在ということが理由の1つです」  そう語るのは同社の大橋哲也さん。中国では年間2300万台の電動バイクが販売され、その数字はガソリンバイクを超えている。中国で電動バイクが売れるのは、ここ10年ほどでガソリンが急速に値上げされているのも大きな要因で、市場規模は巨大と言えよう。ガソリンよりも安価で買える電気で走るバイクが求められたのだ。  そうしたエネルギー事情は、東南アジアでも変わらない。 「’07年と’08年の一時期、中国製の電動バイクがベトナムに輸出され一気に需要が高まりました。ただし品質が低く、すぐに壊れるため、その後は一気に売れなくなってしまいました」  普及に失敗したものの、需要は確実にある。まずは新興国でジャパンクオリティの壊れにくい電動バイクを提供すれば、必ず売れると見ている。テラモーターズは、10月以降にベトナムやフィリピンをはじめとした新興国での電動バイク販売を始める予定だ。  そんなテラモーターズが日本で販売している電動バイクは、最高時速は45kmで、一度の充電で最長40km走れる「シード48」という製品。値段は12万円前後と想像以上に安い。コンシューマー向けのフラッグシップモデル「A4000i」では、最高時速と最長走行距離がともに60km。こちらは少し高価だが、それでも50万円弱だ。専用に開発されたバッテリーの寿命は5万kmで、通常の利用であれば、10年以上は余裕で使える。さらにiPhoneを装着して、電力消費量を表示したり走行ログを取ったりできる。こうしたバイクのスマート化を進め、今後は周辺のお店情報など、ユーザーに有用な情報提供を広げていく。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=735568
A4000i/TERRA MOTORS<テラモーターズ>

A4000i/TERRA MOTORS<テラモーターズ>

●A4000i/TERRA MOTORS<テラモーターズ> 最高速度60km/h、走行距離が60キロの電動バイク。このバイク用に開発された5万kmに耐える長寿命バッテリーは、バイクから取り外せる。iPhoneをつなげて走行データを表示&記録も可能だ。49万9000円(税抜き) 【大橋哲也さん】 テラモーターズの事業開発グループに所属。大手電機メーカーへの内定が決まっていたものの、学生時代にインターンを経験した同社に’12年に入社 ― “小規模・独立系”家電メーカーの逆襲【2】 ―
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