“恋”多き永田町。女性議員は出産休暇中も活動費は満額もらえる理想の職業【日本に女性首相が誕生しない理由】vol.2

 第2次安倍改造内閣が肝煎りで推し進めていた「女性活躍推進法案」も、突如、永田町で巻き起こった“解散風”に吹き飛ばされそうな気配である……。  そもそも、政権の目玉だった小渕優子元経産相&松島みどり元法相のW辞任がミソの付き始めだったが、これで、「女性の輝く社会」実現がさらに遠のくのは必至。  特に、血筋、地盤ともに申し分なく、「日本初の女性総理」候補と目されていた小渕氏に至っては、すでに東京地検特捜部の強制捜査も入っていることもあり、次期総選挙出馬も覚束ない有様だ。これで、たびたび湧き上がる“女性宰相待望論”も鳴りを潜めてしまうのか?  そこで、女性議員の政策秘書、選挙対策を行った経験のある、国会議員政策担当秘書の松井雅博氏が「日本に女性首相が誕生しない理由」について寄稿した。 ⇒【vol.1】はコチラ ◆意外に“恋”多き永田町。出産休暇中も活動費は満額もらえる理想の職業
丸川珠代オフィシャルサイト   自由民主党東京都参議院選挙区第4支部長

丸川珠代オフィシャルサイトより

 vol.1でも記載したが、永田町は「男社会」であり、女性の国会議員は極めて少ない。そんなに女性が少ないなら、さぞ女性議員は永田町でモテモテだろう、と冗談で下世話な想像をめぐらす読者もいるかもしれない。  実際、そうである。意外に思うかもしれないが、永田町には「ラブストーリー」が多く、国会議員同士のカップルは多い。  自民党では、元アナウンサー(テレビ朝日)の丸川珠代参議院議員と大塚拓衆議院議員のカップルが誕生した。  民主党では、西村まさみ参議院議員と山本剛正元衆議院議員が2012年に結婚している。また、次世代の党では中山成彬(なかやま・なりあき)衆議院議員と中山恭子参議院議員は大蔵省時代からの同僚であり、夫婦で国会議員を務めている。夫の成彬(なりあき)が自民党からの公認を得られず、たちあがれ日本からの出馬を決めた際には、恭子もまた自民党に離党届を提出し、夫の選挙を支援した。  また、異なる政党間で結婚する例もある。2013年9月、世耕弘成官房副長官が民主党の林久美子参議院議員と入籍した。  入閣している与党議員が野党議員と在任中に入籍する、というのは異例のことで、マスコミでも大きく取り上げられた。  もちろん恋愛や結婚は本人たちの自由だし、口を挟むような野暮なことはしたくない。  しかし、一票の格差(都市部と地方部での議員数の偏り)が司法からも指摘される中で、一つ屋根の下に住んでいる国会議員たちがいるというのは不思議に思う人もいるかもしれない。本来様々な意見を国政へ届けることが仕事であるはずが、夫婦になると意見も立場も似通ってしまう可能性もある。また、極めて深刻な国家課題を議論する場で、どうやって相手を口説いたのだろう、というのは興味をそそられてしまう。思想信条が命であるはずの政治家が、夫と一緒に政党を移動するというのも、首を傾げる人も多かろう。  国会議員同士だけでなく、国家公務員と結婚するケースもあれば、政策担当秘書と恋に落ちるケースもある。  明るみになっていないものも含めれば、かなりの割合で女性議員は恋愛対象になっているのではないか。  ここまで、最近の事例を挙げたが、過去を振り返ってみても女性議員をめぐるラブストーリーは多い。かつて、最初の女性衆議院議員の一人、園田天光光議員も妻子ある国会議員と結婚した。マスコミは「白亜の恋」と大きく取り上げるとともに、史上初めて在任中に出産した女性議員としても有名人となった。そして、最後は亡き夫の前妻の息子(園田博之現衆議院議員)に選挙で敗れ、政界を引退する、というドラマティックな人生を送っている。  2000年8月に、園田天光光議員に続き51年ぶりに橋本聖子議員が任期中に出産し、その後は小渕優子議員など出産ラッシュが続いた。  恋に落ちるのは結構なことだし、国会議員が出産することも奨励されるべきだ。女性が子どもを産みやすい職場環境は極めて重要である。  今年の夏、都議会でのセクハラ野次が問題視され話題になったが、女性が働きやすい社会をつくるのは極めて重要な課題であることは言うまでもない。  出産は女性しかできない営みであるから、それを支援するのは男性の義務でもある。  ただ、たとえば林原由佳衆議院議員は、出産を理由に2014年1月24日に召集された第186回通常国会を欠席している。 「出産による欠席」ではなく「応招延期」という手続きをとった上で、6月16日まで国会に顔を見せていないが、  その間も歳費や文書通信費などのお金は満額支払われ続けたという例もある。第186回通常国会の会期は6月22日までだったので、通常国会にほぼ丸ごと出席していなかったことになる。  批判されることを覚悟で書くならば、たとえ理由が「出産」という尊い理由だったとしても、議員として活動をしていない時期はせめて文書通信費などの活動費の支給は止めたり、歳費を減額するなどの措置も必要ではないか。終身雇用ではなく期間が決まっている「非常勤」の仕事である議員が、欠席が無制限に認められるのはおかしくはないか。 ⇒【vol.3】「女性が参政権を獲得したのは戦後! 70年前から変わらない女性衆議院議員数」に続く <構成/日刊SPA!編集部>
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