誰がやっても、嫌われる…水商売の憧れ「つけ回し」という仕事の実態

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その45 ―

水商売の憧れ「つけ回し」という仕事の真実 キャバクラを舞台としたドラマ「黒服物語」が好調だ。このドラマの主人公は、大学受験に失敗し、ひょんなことから水商売の世界に入る。最初はボーイだが抜擢されて、つけ回しの仕事を与えられ、悪戦苦闘するというのが、初期の話の流れだ。

 つけ回しとは、一般的にはフロアマネージャなどと呼ばれたりする人で、キャバクラ嬢のテーブルへの配置、移動を個人の裁量で決めることができる。キャバクラでは一番重要な仕事ともいわれ、幹部への登竜門的なポジションになっている。ゴルフ場で言えばキャディマスター、カツオ船でいえば漁労長、それぐらい大事な役割だ、ほんまかいな。

 そのつけ回し、ドラマではキャバ嬢の才能を発掘し、新しいキャラを確立して、お客様に好かれて美談満載だが、現実は、そう簡単ではない。業界ではこう言われているのだ。

「誰がやっても、嫌われるのがつけ回し」

 例えば人気キャバ嬢が同時に指名を3本頂いたとする。1時間で計算すると、3人の客に各20分づつ席に着かせればいいが、どのお客さんも、1時間で20分しか席にいない場合は、不満足となる。しかも、そういう売れっ子は、新規開拓に熱心で、お金を持ってそうな新規客にフリーでつくから、実際は60分中、10分がいいとこ。

 つけ回しは、限られた時間をやりくりするのが腕の見せ所だが、しょせん時間の奪いあいだから、客は店内で満足することはない。あなたにとっていいつけ回しは、多分ほかの客にとっては、嫌な存在であろう。つまり、つけ回しに、えこひいきされて、なんぼの客である。

 そういう不満足客を救っているのが、同伴というシステムだ。これなら店に行く前に、2時間ほど食事しながら、好きなコを独占できる。だから同伴客は、余裕で「さあ、お客さんのとこへ行ってきなさい」って、お前も客だろうが。同伴で充分喋ったので、店内ではちょっと喋れるだけで良いのだ。

 つけ回しには多少、技と呼べるものがある。代表的なのは「指名抜き」だ。フリーでついた客が、そのコを気に入り、場内指名をかけるとしよう。するとあら不思議、指名したのに、そのコは席を立ってしまう。これが指名抜きだ。

 普通お金をかけて指名嬢を呼ぶのだから、座席にそのまま居座ればいい。良心的なスタッフがいる店は、たいがいそうしてくれる。しかし世の中、営業熱心ゆえに、わざと「指名抜き」をやるのだ。

 そいつらの論理だと、すでに指名をしたのだから、そのコが席を立って、もう1周して来るまでは、お客さんは帰らないと読んでいる。客が女のコを待っている無駄な時間こそが、キャバクラにとっては美味しい、営業収入となるのだ。

 客としては、ほかで呼ばれてないのに、お気に入りを抜きやがってとなって、少々機嫌が悪い。じゃ今度行ったときに、指名しないでまたフリーでついてもらって、そのまま延々飲み続ける作戦にしようと考えた。

木村和久

木村和久

 これは残念ながらありえない。いったん指名したキャバ嬢は、その客にフリーでつくことは未来永劫ないのである。一回気に入って指名したんだから、喋りたいならまた呼んでくださいと店側は思っている。なかなかうまく出来ている指名システムだ。要するに、ケチケチせずに、最初から指名して飲めってことですね。

■木村和久(きむらかずひさ)■
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦

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