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虚構新聞に聞く「なぜ人は嘘ニュースに騙されるのか?」

基本的にウソをつくのは悪とされてはいるが、本当のことばかり言っていてもうまく世渡りができないのも事実。トラブルを起こさないためのウソ、そしてウソの見抜き方。ウソをうまく利用すれば、人生は好転する! ◆虚構新聞に聞く!なぜ人は嘘ニュースに騙されるのか? 虚構新聞「実際にありそうで存在しない」虚構のニュースを配信するウェブサイト『虚構新聞』。社主のUK氏に、人が騙されやすい記事の傾向を聞いてみた。 「人々が心の中で思っていそうなことを的確に捉えた記事ですね。例えば、政治家の渡辺喜美さんが新党『俺』を立ち上げたという記事は、実際にあり得そうだと反響がありました。世間の人が渡辺喜美さんに抱いているイメージと一致したのだと思います」  その著名人が言いそうなこと、思っていそうなことを、いかに具体的に書くかが信じやすい記事を作るコツだという。 「例えば、ネオヒルズ族で話題になった与沢翼さんは特にわかりやすいですね。成り金というイメージが世間一般に浸透していました。実際には作られたキャラだと思いますが、鼻持ちならない金持ちという部分だけを切り取ると、世間が思う与沢さん像を的確に表現することができます」  ただし、虚構の記事にはあらかじめ留意する点もあるという。 「個人を攻撃するような記事は基本的にはタブー。最近書いた記事で『スタップ細胞を信じる会設立』というのがありますが、ここでのポイントは、小保方さんを批判する記事にならないこと。小保方さんではなく、その周囲に着目した内容になっています。あくまでクスッと笑えるかどうかが大事です」  そんなウソ記事がウリの虚構新聞だが、まれに記事の内容が現実になるという予想外の出来事があるという。 「スマホの機能を搭載した炊飯器が発売されるという虚構記事を書いたんですが、これがなんと実現してしまったんです(笑)。某キャリアさんから発表がありました」  サイトの趣旨として、虚構の記事が実現してしまうと、それは虚構新聞にとっては、“誤報”。謝罪文を載せるというから、なんともややこしい。 「とても実現できそうにないウソを記事にしていく」と語るUK氏だが、斬新な商品を生み出したい企業たちにとって、虚構新聞はアイデアの宝庫になってしまうのかもしれない。 <取材・文/中村未来(清談社)> 【虚構新聞】 すべての記事がネタであり虚構だが、まれに、タイトルだけが拡散されて信じる人が続出することも。 http://kyoko-np.net/ 取材・文/青山由佳 朝井麻由美 中村未来(清談社) 藤村はるな イラスト/大ハシ正ヤ 撮影/三輪憲亮(夏原武氏分) ― [上手なウソのつき方]で人生は変わる!【8】 ―
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