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「これはもうさすがにNG!」な流行遅れファッション

メンズファッションのバイヤーMB氏

メンズファッションのバイヤーMB氏

 メンズファッションのバイヤーMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログメルマガで「オシャレの正解」について発信していたところ、こちらで執筆させていただくことになりました。連載第12回目をよろしくお願いします。  冬が終わり新しい春を迎えるにあたり、衣替えの季節がやってきます。「服をタンスから出さなきゃなぁ」――ちょっと待ってください。何年も愛用している服はありませんか? それ、もしかするとかなり流行遅れで、「ダサイ」かもしれません。自分が満足して着るぶんにはOKですが、しかしできれば、他人からもよく見られたいもの。「最先端の流行は知らなくても、“古い”とは言われたくない」。誰しも少なからずはそう思っていることでしょう。そこで今回はメンズファッションバイヤー、ブランドプレス、デザイナーの3人に「これはもうさすがにNG!」というスタイルを4つ挙げてもらいました。思い当たる節のある方は……要注意です!! 「ブーツカットパンツ」はもはや絶滅種 「ここ3年くらいで一気に減った。すでに絶滅種といっていいほど見かけなくなった」(バイヤー)、「ブーツカットが得意だったブランドも今ではほとんどつくっていない」(デザイナー)。全会一致で槍玉にあがったのは「ブーツカット」。裾に向かって広がったあの形です。ジョンレノンが穿けばサマになりますが、現代にはそぐいません。というのも現在は「スキニーシルエット」などの“裾が細くなった”シルエットが主流。ブーツカットは“裾が太くなる”わけですから真逆。そりゃ古くさく見えてしまいます。 「スキニー」といえば一般に流通させた立役者はユニクロですが、そのユニクロも「スキニーシルエット」「テーパードシルエット」と、裾が細いパンツでも微妙に形を変えて複数ラインナップを展開しています。逆に「ブーツカット」はユニクロですらありません。意外とNGスタイルはユニクロのラインナップを見るとわかりますね。 ギャル男のアイコン「とんがり靴」 「ギャル男の消滅とともに消えた」(バイヤー)、「渋谷あたりでたま~に見かけるけど違和感がある」(プレス)。ギャル男ブームで普及した「とんがり靴」。つま先にかけてグーッと細くとんがった革靴のこと。そもそもつま先までの距離が長い靴は「ロングノーズ」と言ってシュッと細長の形を強調することで、足を長く見せる視覚効果があります。クラシックなイタリア靴でもロングノーズのものは存在しますし、「細長い靴が全部ダメ」というわけではありません。しかし「とんがった形状が細長すぎる」のはさすがにNG。とくにベルトやスタッズなど過剰な装飾はNG中のNGです。  現在の流行は「プレーントゥ」というやや丸形のつま先。2000年代初頭の過剰な装飾や狙いすぎた形状の反動で、いまはナチュラルでシンプルな印象を与える、やや丸形のプレーントゥが主流なのです。セレクトショップで並んでいるのはこの手のもので、とんがり靴はマンガ雑誌の最後のページの「激安通販枠」くらいでしか見かけません。 秒速で1億稼ぐ「ドゥエボットーニシャツ」 「徐々に少なくなってきたところ、与沢翼さんが最後の一撃を食らわせた(笑)」(バイヤー)、「スーツで着るのはNGとは言えないけど……カジュアルでは完全NG」(デザイナー)。シャツの一番上、首元のボタンが2つある仕様を「ドゥエボットーニ」と呼びます。DOLCE&GABBANAが2000年初頭にミラノコレクションで発表して人気を博し、瞬く間に市場に広がった襟高シャツの流行。襟が高いと顔周りまで襟がくるため、小顔でスタイルが良く見えるため多くのブランドに取り入れられました(小顔に見える視覚効果についてはブログの記事 http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1045 ご参考に )。確かに顔周りがキレイに見える「ドゥエボットーニ」ですが、今の流行は上述のとおり、過剰な装飾を嫌います。  今はシンプルにナチュラルにボタン一つが好まれています。ドゥエボットーニシャツをカジュアルで着ていると、「キザ」「やりすぎ」な印象に。秒速で稼ぐネオヒルズ族で有名な与沢翼さんはこのドゥエボットーニシャツを愛用されていましたね。ネットでは「襟デカすぎ」「襟が顔に食い込んでる」など揶揄されていましたが、今のトレンドだともう少しナチュラルな襟高のほうが好まれるでしょう。 バイカー御用達「ゴツめのウォレットチェーン」 「そういえばウォレットチェーンがまっっったく売れなくなった」(バイヤー)、「本気のアメリカンなバイカーはいいとして、普段着でジャラジャラつけてるとちょっと……」(プレス)。昔はよく見かけたゴツいウォレットチェーンも今ではすっかり見かけなくなりました。ブーツカットデニムに、牛も一蹴りで殺せそうなエンジニアブーツ、そしてゴツいウォレットチェーンと男らしい「バイカースタイル」の定番アイテムです。ハリウッド映画に出てくるように、バイクにまたがって荒野を走ればサマになるのでしょうが、街でゴツいウォレットチェーンはトゥーマッチ。「過剰な装飾」は今のトレンドではありません。シルバーアクセサリーが好きな男性は結構多いのですが、ジャラジャラつけすぎたり、ゴツすぎるものは避けましょう。  今ファッションでは「ノームコア」という流れがあり、これは「ハードコア」などから派生した、「ノーマル」+「コア」の造語です。過剰な装飾、過度なデザインを避け、スタンダードにカッコよく見せるナチュラル志向な「ノームコア」。ブーツカット、とんがり靴、ドゥエボットーニ、ウォレットチェーンなどなど、ナチュラル志向とは対極にあるアイテムはNG。あくまで「品よく」まとめるのが今のトレンドにおいては吉です。衣替えで昔の服が出てきた場合は、「過度なデザインか否か?」を判断基準に、着るかどうかを判断してみてはいかがでしょうか? <取材・文/MB>
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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