ブレイク中の「世界で最も気持ち悪い男」は、クリエーターによる自作自演ではないのか? 本人を直撃【後編】

妄想彼女』という本をご存じだろうか? 架空の彼女とのデートを脳内妄想し、それをあたかも彼女が実在するかのように撮影した写真と共に紹介するスタイルの写真エッセイはネットから口コミで話題となった。著者の地主恵亮氏はバラエティ番組に出演したり、朝日新聞がインタビューを掲載するなど注目を集め、最近では飲料メーカーがCMに起用、ついには英ガーディアン紙で“世界で最も気持ち悪い男”として取り上げられたという。

⇒【前編】はコチラ

――大学デビューなんて言葉もあるじゃないですか。美大生ってだけで何となくモテそうだし。学生時代は楽しかったんじゃないですか?

 それが大学に入っても全然友達が出来なくって。いわゆるアーティスト気質の“意識が高い系”な人たちとは全く馴染めませんでした。僕はコメディをやりたかったんですけど、そういう路線って美大ではマイナーなんですよね。他の人たちは不条理で意味不明なものを撮っていたりして。それこそ道端に鮮魚を置いてそれを淡々と撮影するだけのような。でもそっちの方が何故か評価は高いんですよ(笑)。「学生時代の映像制作が写真の構図づくりの際に参考になった」とか言いたいところなんですけど、社会に出てからも大学で学んだことはほとんど役に立ってないです。ほんと学費が高かったくらいの印象しか残っていないです。

“世界で最も気持ち悪い男”は自作自演!?

大学生活を謳歌しているかのような写真も自作自演。『妄想彼女』より

“世界で最も気持ち悪い男”は自作自演!?

傍から見たら異常者にしか見えないので、真似するときは周囲に一声かけた方がいいだろう

――社会に出てフリーライターをされていて、この『妄想彼女』を書いたことでマスコミ露出が増えたじゃないですか。ギャラも入って羽振りが良さそうですし、さすがに“モテ期”が来たんじゃないですか?

 本の印税は入りましたけど、フリーライターとして活動している普段の僕の稼ぎからすごく増えたかといったらそんなこともないです。バラエティ番組にいくつか出させてもらいましたが、テレビ出演は全て本のパブ(PR)扱いなのでノーギャラ。悔しいから控室にあったロケ弁3つを一人で食ってやりましたよ。「今半」の弁当は本当に美味かったなぁ。今のところモテているとかはないですね。正直、このブームもいつまで続くか分からないし。やっぱり僕は新しいネタを見つけてナンボだと思っているので、次は何をやろうか、そのことで頭がいっぱいですよ。それにこの本の中で彼女が出来てから結婚、子育てまでの人生が仮想でも体験できたので、もういいかなと。いやもちろん彼女は欲しいです(笑)

――なるほど。ではこれ以上は聞きません(笑)モテるという以外で今後、目標を教えて下さい。

『妄想彼女』がまさにそうなんですが、モテないことを逆手に取ったモノづくりをしていきたいですね。モテないコンプレックスを溜め込んだパワーは凄いと世の中に認めさせたいし、それでモテる奴らをやっつけたい。マイノリティでもやり方次第でメジャーになれる、マイナスばかりの人生でも武器になるってことを同じような境遇の人たちに知ってもらういたい。大げさに聞こえるかもしれませんけど、僕自身の経験でそういうことは起こりうると断言できる。だから、みんなもモテなくても決して下を向く必要などないと言いたいです。

――でもそのためにはまず地主さんがモテないと説得力に乏しいですよね。

 あるバラエティ番組で僕のリクエストを『妄想彼女』の手法で再現するという企画がありました。それで僕は不遇だった大学時代のリベンジとばかり、母校で彼女といちゃいちゃしているシチュエーションを撮影したいと番組のスタッフさんにお願いしました。そうしたら、「学校からそういう企画内容では協力できませんって断られました」って。仮にも自分の母校ですよ(笑)。僕がまだまだだということは分かっていますので、女性の方もそれ以外の方も応援よろしくお願いします!

 確信犯か、はたまたコンプレックスが生み出した“棚ボタ”か。それはさておき、「モテる」ということへの渇望が彼の創作物の原動力になっていることは話していてひしひしと伝わってきた。「気持ち悪い!」と後ろ指を刺されるくらいのパワーで今後も面白いことをやらかしてほしいものである。

<取材・文・撮影/大澤昭人(本誌)>

【地主恵亮】
’85年福岡県生まれ。フリーライターとして人気Webサイト『デイリーポータルZ』を中心に執筆。架空の恋人を妄想して楽しむ“ひとりデート”を発案。その記録をまとめた『妄想彼女』(鉄人社刊)が話題に

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