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下馬評を覆して好調のライオンズ。投手陣のカギは二軍の菊池雄星だ!【ライオンズヲタ・マリオ高野】

 開幕前は下位予想が多いなど、玄人筋からの評価はイマイチだった今年の埼玉西武ライオンズですが、そんな下馬評を見事に覆す開幕ダッシュを決めました。シーズンはまだ始まったばかりで真の実力を見定めるのはこれからですが、春季キャンプや3月に行われた二軍の公式戦を取材した結果では、“今シーズンのライオンズの浮沈は、菊池雄星投手の左腕にかかっている!”と確信いたしました。
菊池雄星投手

初の実戦でいきなり剛速球を披露した菊池雄星投手

 甲子園のスターとして名を馳せ、鳴り物入りでライオンズに入団した菊池投手も早6年目。一昨年は9勝を挙げてブレイクしかかったものの、去年は不振に陥るなど低迷。話題性、実績ともに花巻東高校の後輩である大谷翔平投手に差をつけられてしまいましたが、それだけに今シーズンにかける意気込みは大きく違うものがあります。  オフには筋トレに励んで身体がひと回り大きくなり、体重は100kgに達して見るからに逞しい雰囲気となりました。投手が筋肥大系の筋トレに励むことの意味や効果はさておき、「新しい自分に変わりたい!変わらねばならない!」という意思の強さは強烈に伝わってくるものがあります。  実際、キャンプでの投げ込みを見ると、ただデカくなっただけではなく、増えた分の体重が上手く球に乗っているような雰囲気があり、明らかに直球の迫力が増したように見えました。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=829575
菊池雄星投手

肉体改造により筋肉を増量。明らかに球威が増した菊池投手

 今シーズンから一軍の投手コーチに就任した横田久則コーチに菊池投手について尋ねてみると、 「投手が体重を増やしたり、絞ったりするのはよくあること。その成果はシーズンが終わらないとなんともいえないが、ブルペンでのボールを見てると、かなり良いのではないかと感じている。自分を変えようという思いのなかでオフを過ごして、しっかりと身体を作ってきた。周りから強く期待されながら、これまでの5シーズンは本人が一番納得できていないはず。今年こそは何とか一本立ちをしてほしい。菊池が一本立ちして右の岸、左の菊池、という左右の両エースが確立できればなればウチは強くなるはず」  とのこと。投手コーチの目で見ても、今年の菊池投手の球の質が良くなっているのは間違いありません。
菊池雄星投手

投球練習後、丁寧に頭を下げてブルペンを後にする菊池投手

 オープン戦が始まる頃になると調子を崩し、4月4日の時点ではまだ二軍調整が続いておりますが、初の実戦マウンドとなった二軍での投球ではいきなり最速155km/hをマークするなど、キャンプで見た「今年は違うぞ!」感は健在。  二軍の試合が行われた西武第二球場はスピードガンの計測がやや甘いとの話もありますが、一軍での実績もある打者を力で押さえ込んだのは球威が凄まじい証拠でしょう。去年はパリーグのシーズン最多四球を記録するなど制球難に苦しみましたが、二軍での登板で打者13人に対して四死球を1つも出していないことも注目ポイント。球威が増したことで大胆さも増し、結果としてストライク先行という好循環をもたらしている様子です。今のところ出遅れてはいますが、やはり今年の菊池投手は違う!  もちろん、ライオンズの投手陣には菊池投手以外にも注目すべき重要な投手は数多くいますが、菊池投手が大ブレイクすることによる相乗効果の大きさは計り知れません。
菊池雄星投手

菊池投手の投球を熱いまなざしで見守る岸孝之投手

 その理由は、菊池投手はファンから愛されているだけではなく、チーム内でも愛される存在だからです。たとえばエースの岸投手は、菊池投手を可愛がっていることで知られますが、キャンプのブルペンでは菊池投手の投球を熱心に見守っている姿が印象的でした。他の選手からも良い意味で弄り甲斐のある若手として認識されております。菊池投手のような、ファンからもチームからも愛され期待を寄せられる投手がブレイクすれば、チーム全体の勢いが増すことは間違いないでしょう。  菊池投手には、「今年のライオンズは俺の左腕にかかっている」ぐらいの気持ちで臨んで欲しいものです。 <取材・文・撮影/マリオ高野>
1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。その後、群馬県太田市へ移住し、現在は太田市議会議員に。X(旧Twitter):@takano_mario
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