「高学歴であればあるほど損をする」女性の雇用環境

「高学歴の女性が増えていくスピードに対して、女性の雇用環境の改善はまったく追いついていない」と語るのは、『高学歴女子の貧困』(光文社)を監修した水月昭道氏。

OL 「能力だけを見て採用すると全員女性になるので、能力が劣っていても男性を採ることで調整している」なんて人事担当の声もあるとのこと。

 さらに「高学歴だから高飛車なんだろう」という色眼鏡は女性に対してはより厳しい場合が多く、「高学歴でも得をしない」どころか「明確に損をする」のが現状だ。

 現在、保険会社のコールセンターでアルバイトをしている古田律子さん(仮名・30歳)の年収は約200万円。

「銀行を目指して就職活動をしてたんですけどうまくいかなくて。地元の信用金庫の一般職も受けたのですが『慶應の人がわざわざウチの一般職を受けにこなくてもねえ』とニヤニヤされて不採用。総合職じゃなきゃなんてこだわりもなかったのに、使いづらいと思われたのかな。結局、東京でひとり暮らしを続けていますけど、稼いでる同級生、結婚して幸せに暮らしてる同級生に会うのはツラくて、友達との交流も減っています」

 ポスドク問題に関しても、女性はさらに深刻だ。

「’13年の時点で、博士課程で学ぶ女性の比率33%に対し、専任教員の女性比率は22%。国立大学だけで見ると10%台前半。構造的に女性のほうが不安定な非常勤職に追いやられやすいんです」(水月氏)

 早稲田大学大学院、人文系博士課程を経て現在複数の大学で非常勤講師を務める鈴本美津子さん(仮名・36歳)もその一人。

「90分1コマ8000円と聞くと割がいいように聞こえるかもしれないけど、準備や試験の採点も込みで、資料代なんてもちろん出ない。それで週3コマ持ったって月10万円弱ですよ。ほかの書き物仕事を合わせたって手取り20万円になるかどうか……。そもそも修士も博士も奨学金で通っていたから、学費分の借金も500万円近い」

 あげく「女はいつ子供産んでやめるかわからないから任せられない」という雰囲気を醸し出される。

「私は聞かれる前に『結婚・出産の予定はございません!』と宣言してます。続けているのは学生に学ぶ喜びを伝えたいから。でなきゃやってられない」

「教えたい」という純粋な思いに乗っかった大学の搾取。その一番の被害者も女性なのだ。

【水月昭道氏】
’67年生まれ。環境心理学者、評論家。筑紫女学園評議員。『高学歴女子の貧困-女子は学歴で幸せになれるのか-』(光文社)を監修

高学歴女子の貧困

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