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iPod難民の行く末は…プレーヤー多様化で「何で音楽を聴けばいい?」

一世を風靡したiPodクラシック。昨年に販売が終了し、一つの時代が幕を閉じたが、“難民”と化した音楽ファンはどこへ向かうべきなのか? 多様化する音楽再生の未来に迫った ◆クラシックも販売終了し、iPod難民の行く末は? iPod ’01年にアップルから発売されたiPod。かつてソニーから発売されたウォークマン(テープ)以来の大発明となったが、昨年9月、その象徴的存在だったクラシックの販売が終了した。 「iPodクラシックといえば大容量がウリでしたが、ストリーミング配信やハイレゾ音源のダウンロードが浸透したことで、『常に持って歩く時代ではなくなった』といえるでしょう」(ザ・ステレオ屋店長・黒江昌之氏)  販売終了の原因は再生環境の変化だけではない。 「現在の携帯音楽プレーヤーはメモリ化が進んでいます。iPodでもHDDを採用していたのは、販売終了時点でクラシックだけ。大容量という強みが販売終了の原因になったのはちょっと皮肉ですね」(AVライター・折原一也氏)  では、今後大容量で音楽を持ち歩きたいユーザーは何で音楽を聴けばいいのだろう? 「同じ携帯音楽プレーヤーで挙げたいのは、ソニーのNW-A17です。iTunesから曲を転送できるので、iPodから乗り換えるのにも便利。容量は64GBですが、マイクロSDカードを使用すれば、最大192GBまで拡張することができます。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=844184
SONY NW-A17

SONY NW-A17

 音質の点からいうと、オーディオマニアの間で人気なのはアイリバーのアステル&カーン。『ちょっと奮発していい音を……』という一般の音楽好きにはAK100MKIIがオススメです」(同)
iriver Astell&Kern AK100 MKII

iriver Astell&Kern AK100 MKII

 どちらもCDの3~7倍の情報量を持つハイレゾに対応しているのが特徴だ。 「ハイレゾ音源は人間の耳では聴こえない音域まで入っているほど高音質。会場にいるようなライブ感を味わえたり、同じ曲でもそれまで埋もれていた細かい音が聴こえます」 ◆音にこだわるファンはアナログも選択肢に  一方、“音”という観点に立てば、音楽ファンの間ではアナログレコードが復権している。日本でも’14年に生産量が40万枚を超えたが、プレーヤーを選ぶには何を指標にすればよいのだろう? 「極端なことをいうと値段ではありません。例えば同じ100円均一で売っているイヤホンでも、商品によって音質は違います。オーディオは技術を謳うことが多いですが、機械オンチでもそれぞれの感性や好きなジャンルに合ったものを選ぶことが大切。アンプやスピーカーなどを集め、段階を経てステップアップできるのがオーディオの魅力です」(黒江氏)  格安のプレーヤーも販売され、敷居は低くなっているが……。
DENON DP-500M

DENON DP-500M

「格安プレーヤーは、音質よりも『レコードに針を落として部屋で音楽を聴く』というスタイル重視。『腹を満たす』にはいいですけど、レコードの音を『味わう』には、材料もいいものを使っているデノンのDP-500Mがオススメです。ロック好きにはシャープな音質のプロジェクトのエッセンシャルII。S/N比が高く、透明感のある音が出るので、CDを聴いている感覚に近いくらいです」(同)
Pro-Ject EssentialII

Pro-Ject EssentialII

◆ストリーミング配信の黒船がやってくる!  以上、音楽にこだわりたい人には今挙げたようなラインナップがオススメだが、あくまでもスマートフォン程度でいいという人には、ストリーミング配信が小容量というデメリットをカバーすることになる。 「現状、日本ではレコチョクのdミュージックですね。月額934円で約100万曲が聴き放題。国内のストリーミング配信ではソニーのミュージック・アンリミテッドがもうひとつ大きな柱となっていたのですが、今年3月30日にサービスが終了しました」(折原氏)  世界的には昨年CDの売り上げを上回った音楽配信だが、日本ではまだそれほど普及していない。そこで起爆剤として期待されているのが、ストリーミング界最大手のスポティファイだ。
Spotify

Spotify。写真は公式HPより

「すでに海外ではソニーがスポティファイをベースとしたストリーミング配信サービス、プレイステーション・ミュージックを開始しています。スポティファイの日本上陸は数年前から噂されていましたが、ソニーとの提携を果たしたことで、秒読み段階に入りましたね」(同)  大容量で高音質を楽しめる携帯音楽プレーヤー、それぞれの好みに合った音を“作れる”アナログ、安価で大量の音楽を楽しめるストリーミング配信。果たして覇権を握るのは……? <携帯音楽プレーヤー> ●SONY NW-A17 ハイレゾ対応の携帯音楽プレーヤーとしては最小かつ最軽量で、原音を忠実に再現したサウンドが楽しめる。「LDAC」に対応しているため、Bluetoothを使ったワイヤレスな高音質再生も可能だ。実勢価格/3万円 ●iriver Astell&Kern AK100 MKII コンパクトながらハイレゾサウンドのネイティブ再生に対応しており、音質は高級ハイエンドオーディオ並み。32GBのメモリはマイクロSDカードを利用すれば、最大96GBまで増やすことが可能。実勢価格/6万円 <アナログレコードプレーヤー> ●DENON DP-500M ハウリング特性を高めた大型ターンテーブルが特徴の本格的なレコードプレーヤー。MM型カートリッジが付属。アナログらしい温かみのある音を楽しむのに最適。(フォノイコライザーは外付け)実勢価格/6万円 ●Pro-Ject EssentialII 世界的人気を誇るオーストリアのオーディオメーカー、Pro-Jectのエントリーモデル。シンプルなデザインながら、贅沢な素材を使用しており、クリアな音が楽しめる。(フォノイコライザーは外付け)実勢価格/7万円 <ストリーミング配信> ●Spotify日本上陸が秒読みに 2008年にサービスを開始した定額制音楽配信Spotifyは、瞬く間に数百万人のユーザーを獲得。今月には新たに4億ドルの資金調達予定が報じられるなど、財界からも注目を集めている。 取材・文/SPA!編集部
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