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ユニクロで「買ってはいけない春物・夏物」ワースト5

 メンズファッションバイヤー&ファッションブロガーのMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログやメルマガで「オシャレのルール」について発信していたところ、こちらで執筆させていただくことになりました。連載第24回目をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB氏

メンズファッションバイヤーのMB氏。「『オシャレに見える』にはちゃんと理屈があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 ユニクロは低価格ながら「長く着られるベーシック服」を追求しています。H&MやZARAなどほかのファストファッションは、企画から商品がお店に並ぶまでわずか数週間と言われています。「今着たいものを今つくる」というインスタントな姿勢でモノづくりをしていて、「長く着る」「いつまでも愛用できる」という思想は基本的にありません。ところがユニクロは「フリース」「スキニーデニム」をはじめ、何年もロングスパンで愛される「ベーシックアイテム」をつくることをコンセプトとしています。企画から生産に年単位の期間を要することもあるとか。ユニクロの服は「低価格だけど、シンプルでいつまでも使えるベーシック服」でありコストパフォーマンスは世界一と断言できるでしょう。  優れたベーシックブランド「ユニクロ」ですが、もちろんすべてがいいというわけではありません。企画制作の仕事をされている方なら、企画を“揉み”すぎて、誰に向けて発信している商品なのかわからなくなった……なんて経験は身に覚えがあるでしょう。世界的企業ユニクロであってもそれは同じ。中には「これ誰が着るの……?」というような失敗作もあるのです。今回はそんなユニクロの失敗作「これを買ってはいけない!」ワースト5をランキングで紹介します。春夏のショッピングの参考にしてみてください。 ▼ワースト1位 マイケルバスティアンポロシャツ 1290円(+税) マイケルバスティアンポロシャツ NYのトップデザイナー、マイケルバスティアンとのコラボアイテムも一歩間違うとこんなに野暮ったくなります。オンラインストアで商品写真を見るぶんには「遊びがあってカワイイじゃん」と思うかもしれませんが、実際に店頭で見てみると、どうにも「安っぽさ」が目立ちます。もともと「柄物」は無地よりもチープな印象を与えます。例えばチェックシャツであれば、無地よりもカジュアルでチープな印象になるので、安く見えないように素材使いや色使いに慎重にならなければいけません。  ところが、こちらのポロシャツ。ただでさえラフでカジュアルな薄手の鹿の子素材に、色のついた総柄を施してあるので「安っぽさ」に拍車がかかります。大人っぽくするためにドレスシャツ素材で襟と前立てを切り替えしてみたものの、これがまたチェック柄で素材もペラペラ。とてもオシャレには見えません。「大学デビューした男のコが無理してオシャレをしている」といったミスマッチ感を覚えます。  袖を短くして腕周りをキレイに見せたり、襟が高く小顔に見せるバランスをつくったりとシルエット自体は考えられた美しい形状だけにもったいない限り。やはり「餅は餅屋」、上述のとおり「ユニクロはベーシック」が一番です。総柄などのデザインモノはハズレが多いと思います。 ▼ワースト2位 ロールアップスリークォーターカーゴ 2990円(+税)  足の短い日本人にとって、半端な短丈パンツは危険アイテム。モデルの着用写真ではそれなりに見えても、自分が穿いてみると「近所の小学生みたい……?」と垢抜けないことも多々あります。足を長く見せたいならば膝上の短丈パンツがオススメ。このアイテムくらいの半端な丈が、実は一番足を短く見せてしまうのです(※足長に見せる短パン着こなし術についてはこちらの記事をどうぞ。「大人の短パンはなぜダサく見えるのか? 正解は石田純一スタイルにあり!?」https://nikkan-spa.jp/837238)。  足が短く見える半端丈に加えて、カジュアルなカーゴパンツのデザインで「近所の小学生感」抜群です。若い方ならばともかく、30代以上の男性は「とっちゃん坊や」になる要因です。大人は避けるべきアイテムでしょう。 ▼ワースト3位 プリントシャツ(トロピカル・半袖) 1990円(+税)  トロピカルプリントは毎年夏になると流行ります。去年の夏もメンズでは過去にないくらい花柄がトレンドになりました。今年もそのノリで手を出すのはいいですが、このアイテムはクセもの。和柄を連想させるネイビー生地に色とりどりのリアルな花柄が印象的で、単体としてNGというワケではないものの、コーディネートが非常に難しいアイテムです。日本人男性のおそらく8割くらいが「デニムパンツ」を持っているかと思いますが、コレを合わせたら誰もが「地元のヤンキー」に。かといってスラックスに合わせても、上司から「おっ、ハワイ帰り?」と揶揄されることでしょう。合わせがとにかく難しく、その意味でオススメできないアイテムです。もしトロピカル柄をチョイスしたいなら、モノトーンや色数の少ないものを選ぶと合わせやすいですのでお試しを。 ▼ワースト4位 UTGP グラフィックT(Star Wars・半袖)N09 1500円(+税) 「ユニクロはベーシックアイテムが得意」と書いた半面、デザインモノには注意が必要です。ユニクロは夏になると「デザインTシャツ」を多くラインナップしますが、これがどうにも垢抜けない。やはりユニクロは無地・シンプルが特性なのです。このTシャツもスターウォーズファンには垂涎でも、オシャレに見せるのはなかなか厳しい。「ダースベイダー」はカッコよくグラフィックしても「ベーシック」にはなりえないのです。  プリントを選ぶくらいならぜひ無地のカットソーに注目してください。次週掲載予定の「ユニクロでこれを買うべきランキングベスト5」に書きますが、ユニクロの無地カットソーは良質モデルが多い。あえて子供っぽいプリントものを選択する必要はありません。 ▼ワースト5位 スリムフィットノータックチノA 2990円(+税) ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=849979 スリムフィットノータックチノA「え? 全然オシャレじゃん? 何言ってんの?」と思うかもしれません。確かに細身でキレイな印象もあり野暮ったさはありません。しかし見ればみるほど、「これを買うなら~」が頭をよぎります。例えば「細身でキレイなパンツがほしい!」と思うなら同じユニクロで売っている「スキニーフィットテーパードジーンズ(3990円+税)」がオススメです。このノータックチノよりも裾幅が細く足のラインがとてもキレイに見えます。素材も「ジーンズ」とは言うものの、ユニクロの黒デニムは色ムラのない「真っ黒」なため、チノと遠目にはほとんど同じ見え方です。チノを選ぶなら、裾幅が細くキレイなシルエットのスキニーを買うのが吉でしょう。  また「カジュアルなチノパンがほしい!」と思うなら「ヴィンテージレギュラーフィットチノ(1990円+税)」がオススメ。素材から縫製に至るまで徹底的につくり込んだまさに「長く愛される」ユニクロイズムを追求した名作です。実際に見れば納得できるヴィンテージのような肉厚頑丈な風合い。カジュアル志向なら断然こちらがオススメです。スリムフィットノータックチノは「悪くはないけどほかにいいものがある」という意味で、今回ランクインさせました。  いかがでしたでしょうか? 次週は「ユニクロでこれを買うべきランキングベスト5」を予定していますので、そちらもぜひご期待ください。また2014年まぐまぐ大賞を受賞した筆者が発行するメルマガ「最も早くオシャレになる方法」では度々ユニクロや無印良品のマストバイアイテムを定期的に紹介しています。興味があればそちらもご購読ください。 <文/MB>
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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