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清純派メイクで大変身! 浪速のエリカ様が大阪都構想結果に「今後が気掛かり」

上西小百合衆院議員

「もともと顔立ちが華やかなので、少し塗るだけでもハデハデに見えてしまうのでは?」。普段は広告やファッション業界で幅広く活躍している今回のヘアメイク担当、伊達美紀氏がそう話しかけると、上西議員は「(垂れ目メイクについて)あまりにも言われすぎたので、私って異様なのかなぁって思ってました」と笑った。 撮影/八尋研吾 ヘアメイク/伊達美紀(DELIGHT)

 左胸に輝く議員バッジに気付かなければ、このノーブルなオーラを身にまとった美貌の持ち主が誰なのか、わからない人も多いのではないか?  5月17日、いわゆる「大阪都構想」の是非を問う住民投票は、橋下徹大阪市長の悲願が打ち砕かれる格好で雌雄を決したが、この事の顛末を複雑な思いで見つめていた彼女こそ、先の“維新の党除名騒動”で一躍時の人となった「浪速のエリカ様」こと、上西小百合衆院議員その人だ。  3月13日に開かれた衆院本会議を体調不良で欠席したところ、前日の12日に、自民党議員らと繁華街に繰り出し飲食店3軒を“ハシゴ”していたことが発覚。加えて、公設秘書との「不倫ホワイトデー旅行疑惑」も浮上するなど、週刊誌やワイドショーの格好の餌食となったのを覚えている人も多いだろう。その後も、移動中の上西議員をテレビ局の取材クルーが詰め寄ったところ、同行していた秘書が強い口調で記者を遮ったことから、「巻き舌秘書」とさらなる批判が噴出。今回の住民投票の前哨戦に当たる統一地方選真っただ中という時期もあり、最高顧問を務める橋下徹氏の強い意向から、4月4日、上西議員は切り捨てられるかたちで維新の党から除名処分を言い渡されていた。  騒動から2か月、自らを党から追いやった橋下氏が「政界引退」を決めた今、上西議員本人は何を思うのか? 今回、心機一転のナチュラルメイクでインタビューに応じてもらった。 ――大きな騒動となっていたが。 上西:当時の報道はあまりにも事実とかけ離れたものが多すぎて……。体調管理の不行き届きで予算の採決を欠席したことについては深く反省していますが、自分の秘書と「ホワイトデー旅行」なんて行くわけないし、そもそも、14日に秘書が後援会活動で地元の方に会っていたことを、マスコミは裏取り取材で証言まで得ていると聞いるんやけどね。ましてや、「不倫」って……。そもそも私も秘書も“独身”ですから、仮に百歩譲って付き合っていたとしても、それを不倫とは言わないでしょ? もちろん交際の事実は一切ないですが、(3月に「不倫路チュー騒動」を巻き起こした自民党衆院議員の)中川郁子先生のときは、実際に写真など証拠が出ていたのに対して、私の場合、そもそも交際の事実自体がないんで、証拠もなければ裏取りもできない完全な捏造記事。診断書の偽造疑惑だって、初めて診てもらった先生に「ウソの診断書を書いて下さい」なんて頼めるわけないやないですか。悔しさの余り3時間もかけて記者会見で説明したけど、これまで垂れ流された誤報は一切訂正してもらえない。しかも、皮肉なことに“旅行疑惑報道”が減っていく代わりに、メイクやら何やら、ワケのわからない言いがかりの“ネタ”のような報道にシフトしていった。正直あのときはマスコミの皆さんが怖かったですよ。 ――相当な「マスコミ不信」に陥っているように見えるが。 上西:あるディレクターさんからは「今は上西の顔と名前で視聴率が取れるから、上からのお達しでやらざるを得ない」と謝られましたが、そうやって私を必死に叩いている裏では、「上西さんが橋下さんにガツンとを物申す映像を撮りたい。政治的パフォーマンスとしてもかなり面白いと思いますよ!」といった出演依頼も毎日のように舞い込んでくる……。私は、「人の悪を言わず、己の善を語らない」というのが信条やし、自分が政治家としてすべきことは何より国民生活に寄与することだと考えているので、その手のお話には一切乗っかりません! 一連の報道では、秘書が「前科2犯」という根も葉もないレッテルを貼られましたし、私だって、不倫疑惑をはじめいろいろ言われましたから、もうお嫁に行けなくなるんじゃないかって心底心配していますよ(苦笑)。今までの政治活動で私が少しずつ積み重ねてきたものがすべて消えてしまうんじゃないか……って思うと辛かったですが、そんな苦境に立たされたときでも、「負けんと頑張りや!」と明るく声を掛けて下さる地元の人たちには今も感謝の気持ちでいっぱいです。 ――特に「垂れ目メイク」批判は凄まじいものがあった。 上西:メイクは毎朝15分程度。大慌てでやっているし、うまくできてないのは自覚していますが、政治のお仕事は芸能界のように顔で勝負する世界でもないから、正直「どうでもいい」と思っていました。ただ、ここまで注目されたからには、これからは猛特訓しなくちゃ!という思いですかね(笑)。 ――そもそも、一連の騒動を煽りに煽ったのは橋下氏だった。当初、松野頼久幹事長は「処分の必要はない」との認識を示していたが、大阪都構想の最終決戦に向け、埋没しかけていた維新に再び注目を集めるために上西氏をスケープゴートに仕立てたという印象も否めない。「あの議員とは2度と付き合わない」「29歳あたりで国会議員にさせてしまった僕の責任だ」などと、一方的に“絶縁宣言”を出す橋下氏の手法については、今回の大阪都構想の議論の進め方と同様、少々強引に見て取れたが。 上西:後ろ盾となる支持団体もない。ましてや、地盤・看板・鞄を引き継げる世襲議員でもない私に、政治のお仕事をさせて頂けるきっかけを作ってくれたのは維新ですし、今も感謝しています。橋下氏が一度決めたことを力ずくでも推し進めていくのは政治家としての手腕であり、「強引」であるとひと言で括って批判することはできません。ただ、「(疑惑に留まるのに)マスコミに騒がれたから除名」やったら、無辜の民であっても「騒がれた者負け」やんかって。処分についてはエモーショナル(感情的)な気がして残念でしたが、統一地方選挙前に騒動となってしまい、党やご支援を頂いている皆さまにご迷惑をおかけしたことは真摯に反省しています。 ――「比例復活」で当選した議員が党を除籍されたのなら、議席も党に返すべきといった批判の声も根強くある。 上西:前回の選挙では、小選挙区で6万8000票に迫る支持を頂きました。結果的に小選挙区は次点で届かず、惜敗率で比例復活しましたが、戦後最低の投票率にもかかわらず、政党名より私の名前で投票して下さった人が多く、その数は1回目の選挙より約5000票も多く獲得できましたので、この2年間の地道な政治活動や私の人間性の部分を地元の方々に認めて頂けたのかと嬉しく思いました。ですが、今回のことで、格安タクシーの規制強化に乗り出す流れのとき、大阪経済を活性化するため自由競争を阻害することなどあってはならない! と自分が奔走して付帯決議を付けさせた実績をはじめ、私のこれまでやったことがすべてなかったことのように扱われてしまうのは、一政治家として許せなかった……。「こんなに叩かれてもう嫌!」と言って、地元のことを放り出せば気楽だったかもしれませんが、それはあまりにも無責任。地元の支援者の顔を常に思い浮かべながら真摯に政治活動をしている議員であれば、そんな軽率な判断はできないはずです。「お金欲しさに議員を続けている」「貯金がすでに5000万円ある」といった、これも事実とは異なる報道が出ましたが、私は利益団体からの支援を受けていないため政治献金も自民党の先生に比べると数十分の1程度。自分のお給料を政治活動に充てているくらいなので、お金目当てで議員を続けているという批判は的外れですよ。 ――維新在籍時に上西議員も実現に向け奔走していた「大阪都構想」の住民投票は、大阪市民から「NO」を突き付けられた格好だが。 上西:あと1歩のところまでいったので残念でなりません。私も維新に籍を置いていた当時は、一人でも多くの人たちに都構想について理解してもらおうと、ずっと頑張って説明して回っていたんで……。そもそも私は、政策を異にして除名になったわけじゃないから、党を離れたからといって「都構想はアカン!」なんて言うつもりはないですし、それじゃあまりにも信念ないでしょ。今回は陰ながら見守らせて頂きましたが、維新の存続は、何よりもなかんずく都構想実現にかかっていたので、橋下氏も政界を引退されるということですし、今後どうなるのかは気がかりですね……。 ――維新を離れた今は、制約が多いと言われる「無所属」の議員として活動していかなければならないが。 上西:「無所属の議員は何もできないから存在意義がない」といった誤った短絡的な言い方をしはる人もいますが、私以外にも無所属議員は多く存在して、国民の声を国政に届けるために奮闘されているんですよ。西川きよし元参院議員のように、3期18年もの間、精力的に活動された方もいらっしゃるわけで、そのような批判をするなら、与党が衆院で現在3分の2を超える議席で単独採決すら可能な今、野党のすべてが「何もできない」し「存在意義はない」という極論で片づけられてしまう。私はこれまで同様、国会で少数意見であっても、地道に世論に訴えかけていけば多数派の暴走を食い止めることもできるし、自分の信念に従って自由に活動できる無所属議員にしかできないこともある。私は、女性の働く環境や子育てのできる環境、シングルマザーを取り巻く環境などを考えて、少しでも選択肢の多い社会にしなければならないし、少子高齢化の問題は喫緊の課題が山積みになっています。そして何より、街頭犯罪15年連続第1位といった治安の問題や、地元経済、教育、空き家問題など、地元大阪の抱えている問題にも、これまで築いた人脈と知識を武器に国民の皆様のために取り組んでいくつもりなので、長い目で見守ってもらえれば嬉しいです。  お目付け役の橋下氏が隣で睨みを利かすなか、眉をひそめて懸命に記者の質問に答えていたあの吊るし上げ会見の悲壮感はもうない。  今回の撮影で見せてくれた等身大でナチュラルな一面、そしてちょっとばかしユル~い関西弁を繰り出していけば、今後国会の外でもブレイクしそうな予感をヒシヒシ感じるのだが……? 果たして、活躍の場は何処に。 ※上西小百合衆院議員の「大変身」した姿は、5/19発売の週刊SPA!に掲載されています。 取材・文/山崎 元(本誌) 撮影/八尋研吾 ヘアメイク/伊達美紀(DELIGHT)
週刊SPA!5/26号(5/19発売)

表紙の人/渡辺麻友

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