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30代独り身の寂しさは“ジモト飲み屋”が癒してくれる

◆偶然立ち寄った店での、年齢も経歴も違う出会い 木下健一さん(仮名・35歳) カメラマン

マスターと話す木下さん。一人で飲んでいるときに常連さんを紹介された

「35歳にもなると周りは既婚者ばかり。なかなか遊んでもらえなくなっていました。新しい街に引っ越した直後で、バカ話をできる相手も少なくなっていて、正直、寂しいなあって悩んでもいたんです」  そう話す木下健一さんが、友達を見つけたのは、偶然立ち寄った駅前のイタリアンバールだった。 「立ち飲みのスペースで飲んでたら、マスターがお店にいた常連さんを紹介してくれて。それがきっかけで通うようになったんです」  その駒沢大学駅前の店「エノテカバール プリモディーネ」には近い業界のクリエイターも多く、すぐ常連となる。しかし特に仲良くなったのは20代半ばのサラリーマン男性だった。 「話しているうちにお互いサーフィンが趣味だとわかったんです。自分は友達と予定が合わずにしばらく行ってなかったし、『じゃあ一緒に行こうか』と、二人で海に行く仲になったんです。一回り近くも年が違うサラリーマンの友達は初めてでしたが、楽しかったですね」  お店ではほかにも仲のいい友人が何人もできたという木下さん。 「親友と呼べるかと聞かれたら微妙ですが、お互い経歴も立場も年齢も違うから、何の利害関係もなく、純粋に仲良くなれるんです。誰かと予定を合わせる必要はなく、店に行けば誰かしらがいる。仕事も不規則な自分にとっては貴重な場所なんです」  なお常連客には魅力的な女性も多いというが、「男女の関係を持ち込むと、お店に行きづらくなる可能性がある」と、彼女作りは努めて自制中。 「なにより、自分にとっては、このお店を失うのが怖いんですよ。仕事が忙しくて2〜3週間、お店に行けない日が続くと寂しくて仕方ないくらいで(笑)」  多いときは週に5日、平均でも週3日は通っていて、「ちょっと依存気味かも(笑)」と言うほど、この店とここでの友達関係にハマっている様子。  親友の一歩手前、友達作りにジモト飲み屋が絶好の場なのは間違いない。 ― 30代になっても「親友は作れた!」実例集【5】 -
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