イケメン脳神経外科医が教える「誰にでも簡単にできる“健康脳”のつくり方」

―[山田ゴメス]―
最近、左手のしびれが気になるゴメス記者が頼った先は……? とある対談で意気投合して以来、懇意にしていただいているイケメン脳神経外科医・菅原道仁先生! 先生による恵比寿「喫茶室ルノアール」での“緊急診察”は次第に“熱”を帯びていくいっぽうで……? ⇒【前編】はコチラ 菅原道仁先生(以下、菅原):人間って、極論、死ぬ病気は二つしかないんですよ。「がん」と「血管の病気」。 ――そーなんですか? もっといろいろあるような気もするんですけど……。 菅原:日本人の死因って、1位は「がん」、2位が「心臓」の病気、3位が「肺炎」、4位が「脳」の病気……なのは、なんとなく知ってますよね? で、「心臓」と「脳」は「血管」の病気。そして、「肺炎」は寝たきりの人が起こす病気で、なぜ寝たきりになるかといえば、「脳」の病気で寝たきりになる。ということは、「がん」に気をつけるための早期発見、「血管」に気をつけるためのメタボ対策が不可欠となってくるわけです。 ――早期発見に重要なことって? 菅原:すご~く普通なアドバイスで恐縮なんですけど、マメに検査に行くこと。ネイルサロンに5千円かけるなら健康診断に5千円かけてもいいんじゃないの、と。 ――たしかに、むっちゃ普通ですよね(笑)。 菅原:今の医療界は、病院が新しくできるスピードが患者さんの量に追いついていないのが現状なんです。「ならば患者さんを減らす努力をしてみよう」というのが僕の考え方。この6月に開院した菅原脳神経外科クリニックは、「がん」ではなく「脳」が専門ではありますが、なるべく気軽に検査を受けていただけるよう、いろんな工夫を施しています。 ――たとえば? 菅原:気分が落ち着く木目主体の内装だとか、「静かすぎるMRI」とか……。でも、一番のポイントは、「極力、検査した当日に判明した結果をお伝えすること」ですね。一日で「診察・検査・結果通知」を終えることができるので、お忙しい方でも大丈夫! ――なるほど。受付のオネエサンもけっこうキレイどころを揃えてるって噂ですし(笑)。先生のクリニックに診察に行って、帰りに合コンなんてケースもあり得るんですかね? 菅原:そこは僕の関知するところではないので(笑)。 ――わかりました。頑張ります(?)。ところで、もう一つのメタボ対策は? 先生の場合、やはり前編でも言われていたとおり、食事制限……ですよね?
昼食時、ルノアールのミートソーススパゲティをバクバク食べる菅原先生

昼食時、ルノアールのミートソーススパゲティをバクバク食べる菅原先生

菅原:基本、好きな物を食べてはいますけど、腹6分目から8分目くらいで我慢する癖をつけ、食べ過ぎないように気をつけています。 我々現代人が対峙すべきなのは「欲」。太っている人って、不思議なのはお腹がすいていないのに食べちゃうんですよ。朝はモーニング食べて、昼になったらランチタイムで……みたいに、悪い意味でそれが慣習になっている。お腹がそこまですいていないなら抜いたっていいじゃないですか。そりゃあ、肉体をフルに使った仕事に就いている人は3食きちんと食べることが大事かもしれない。でも、デスクワーカーだと、3食食べるほどお腹はすかないんですよ。じゃあ2食でもかまわないじゃないですか。「お腹がすいたら食べる」って生活でいいんじゃないですかね? ――いちいち耳の痛いご意見ありがとうございます。ところでボク、最近物忘れが激しすぎて……。「これって、アルツハイマーとかの前兆だっりするのでは?」なんて考えたりして、けっこう不安なんですよ。 菅原:人間って、使わない能力は落ちるんです。筋力もそうだし脳もそう。ゴメスさん同様「最近、記憶力が落ちてきた」って言う人はいっぱいいます。けど、それは記憶力が落ちているのではなく、「思い出す力」が落ちているんです。だって、「あの人、誰だっけ?」「○○さんだよ」「そうそう!」ってことに、たいがいはなるじゃないですか。 基本的に社会人は、「思い出す機会」が減ってくるもの。なぜなら「試験」がないから。高校や大学で受ける試験は、記憶力じゃなくて「思い出す力」をテストしているんですよ。一方で、社会人になればカンニングができちゃう。ネットもすぐ見られるし、人に聞いても叱られない。だから、今のテクノロジーが発達した時代では、遮二無二なって「思い出す力」を鍛えなくてもいいんです。それよりも重要なのは「発想力」とか「想像力」といった前頭葉的な問題。 一番ダメなのは、あれも憶えられない、これも憶えられない……とショックを受けること。求められているのは、Googleとかから情報を取捨選択して、それを組み合わせ、なにかをつくりあげるクリエイティビティや編集的な能力なのですから。どうしても漢字が書けなくなった自分を、若いころの“全盛期”に戻したいならワープロを捨てるしかないんです。 ――じゃあ、先生がおっしゃる前頭葉的な“脳力”を鍛える具体的な方法を教えてください。 菅原:「残り物で料理をすること」が一番気軽にできてオススメ。人間、なにか制限を与えられたほうが、頭を使おうとするので。 無尽蔵にお金があって、どんな食材でも近所のスーパーですぐ買えるという環境で料理をするより、「1000円以内でつくりましょう」だとか「今、冷蔵庫にあるものだけでつくりましょう」と縛りがあったほうが、いろんなことを発想しやすいってことです。 あと、パートナーと共同生活をしている人にゼヒ試していただきたいのが「入れ替わり体験」。普段、男性がやっていることを女性が担当し、女性がやっていることを男性が担当する。そうすれば、新しい発見が脳を刺激するだけじゃなく、相手に対する思いやりも芽生えるし、まさに一石二鳥です。 ――セックスの役割を男女逆転させてみるっていうのは、いかがでしょう? 菅原:どんなプレイか想像がつかないけど、それも悪くはないんじゃないですかね(笑)? 【菅原道仁】 1970年生まれ。菅原脳神経外科クリニック(www.sugawaraclinic.jp)院長。現役脳神経外科医。杏林大学医学部卒業後、国立国際医療センター入局。クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、2000年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の北原脳神経外科病院に身を投じる。2007年副院長に就任。毎月1500人以上の診察から「人生目標から考える医療」の診療スタイルを確立し、患者さんが笑って過ごせる毎日をおくるための診察・治療を実施し、体のことだけではなく、心までをサポートする治療を施している。著書『死ぬまで健康でいられる5つの習慣』 <取材・文/山田ゴメス>
大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
死ぬまで健康でいられる5つの習慣

一生病気にならない死なないカラダのつくり方

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