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「魔女がずっと語りかけてくる」天才ピアニスト・ジョヴァンニ・アレヴィの頭の中

ジョヴァンニ・アレヴィ イタリアの天才ピアニスト、ジョヴァンニ・アレヴィ(Giovanni Allevi)の頭の中には常に音楽が流れているという。彼曰く「頭の中に魔女が住んでいて、彼女が音楽を持ってくる」のだそうだ。そして、「普通なら気が狂うね」とも笑う。常人には理解しがたい天才作曲家の頭の中はどうなっているのだろうか? 日本好きでも知られる彼が“作曲”した、日本にまつわる4つの曲の誕生秘話をもとに、その秘密に迫ってみた。  (さて、その前に、上記の4つの曲は著作権の関係上ここでお聴かせすることはできないが、ジョヴァンニの「頭の中の魔女」がどんな曲を彼にもたらせているのか、彼の公式チャンネルからビデオクリップをご紹介しよう。ぜひ、その旋律を聴きながら、続きを読んでいただきたい。 「Go with the flow」https://www.youtube.com/watch?v=yt8ypwvk7do
 ジョヴァンニがピアノを弾き始めたのは5歳のとき。どうやら大変厳しい父親の教育があったようで、伝統的なクラシック音楽のピアニストになるべく日々ピアノに向き合う日々だった。そんな幼い頃から毎日ピアノを弾かされていれば、「頭の中に音楽が流れて止まらない」という状態になるのもわかるような気がすると思い、「いつ頃からそうなったのか」と尋ねてみた。すると、返ってきたのは予想外の答えだった。 「音楽は小さいときからずっと頭の中に回っていました。とにかく、魔女がずっと語りかけてくるんですが、自分でそれを拒否するようなところもあって、それを書き留めようとか自分の作品にしようとは思えませんでした」  どうやらジョヴァンニにとってこの現象は後天的なものではなく、先天的なものだったようだ。ちなみにジョヴァンニ曰く、その魔女は絶性の美女で20代後半。子供の頃から彼女が頭の中にいるが、彼女は年を取らないのだそうだ。そして、その魔女が語りかけてくる楽曲を「自分の作品」と認めなかったのもまた、父親の教育が影響していたらしい。 「父には『自分の発想で曲を書くというのはおかしい。それよりはピアノの練習をしろ。既にある曲を弾きなさい』と言われていました。演奏者としてクラシック音楽をずっとやっていきなさい、ということですね。それでなかなか自分の創作の芽が出ませんでした。そして、頭の中の魔女の“語りかけ”を受け入れたのが17歳のときでした」  その曲のタイトルが「Japan」。かつてインタビューしたときには「『ドラえもん』『アラレちゃん』『ベルサイユのばら』『アタックNo.1』など、僕らの世代はアニメで日本を知りましたから、その背景の絵などから穏やかな優しい感じの日本を想像して作りました」と答えていたが、実は「作りました」というのは世間にわかりやすいようにするための表現だった。当時のインタビューでも答えているが、やはり普通のミュージシャンの“作曲”方法とは異なる「ジョヴァンニの曲」の“誕生の仕方”があるようだ。 ※vol.2:天才ピアニスト・ジョヴァンニ・アレヴィの「日本にまつわる4つの曲」に続く https://nikkan-spa.jp/885754 取材・文/織田曜一郎(週刊SPA!) 通訳/堂満尚樹 写真撮影/高木あつ子
THE PIANO OF GIOVANNI ALLEVI His Best 1997-2015

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