“刀剣女子”ブームで空前の売れ行き「模造刀 Best5」

発売されたばかりの「鶴丸国永」は予約段階でもう大人気。生産が追いつかなくなる可能性も……

　日本刀と言えば「折れず、曲がらず、よく切れる」と評され、武器として以外にも美術品としても古来から愛され続けてきた。さらに刀にまつわるエピソードも多彩で、知れば知るほどのめり込んでしまう人も多い。しかし刀剣といえばいわゆる「骨董品」扱い、高齢者の趣味のイメージがあるが、最近は事情が変わってきたようだ。「日本刀にハマる“刀剣女子”と呼ばれる女性が増えてきています。各地の美術館で名刀や古刀の展示があると多くの女性で会場がごった返すほどなんです」（社会部記者）　この刀剣女子、ブームの火付け役は『刀剣乱舞』、通称「とうらぶ」なる、DMMゲームズとニトロプラスが共同で開発したインターネット刀剣育成シミュレーションなのだ。名刀が擬人化され、プレイヤーが主となり刀たちを育成、強化するというシンプルなゲーム性ながら、擬人化された刀が美男子揃い、また自分好みの刀剣男子を集めるといった要素が一部の腐女子に大ウケ。現在では100万人以上の登録者を誇る一大人気ゲームとなっている。　擬人化ゲームと言えば、日本の戦艦たちが美少女たちに擬人化された『艦隊これくしょん』が人気を集め、アニメ化までされたのは記憶に新しい。『刀剣乱舞』にはオリジナルの設定以外にも、実際の逸話が盛り込まれることが多く、そこから実際の刀剣に興味を持つようになる女子が多いのだ。その効果は美術館の展示のみならず、刀剣関連の本もバカ売れするほど。なかには本や展示会だけでは我慢できないファンがいるのだという。鎌倉市にある模造刀販売店「むしゃ処」の有本大輔代表は刀剣乱舞の影響についてこう語る。「3年ほど前から模造刀を扱っていたのですが、それほど多く売れるものではありませんでした。今でこそ人気の新撰組、沖田総司の『加州清光』も数か月に一振り注文があるほど。しかし、今年から急激に注文が増え始め、一体何が起きたのかと思いましたよ（笑）」「刀剣乱舞」に登場する刀たちはそのほとんどが国宝クラス級。一般で所有することが不可能なため、模造刀を購入するというのが一般的だ。「むしゃ処」が取り扱っている模造刀は、本物の刀工職人が製作しているため大人気。注文から納品までは時間がかかる。「購入いただいているのは、主に女性の方が多いのですが、男性の方もたまにいます。理由を聞けば女性へのプレゼント用なんだとか」　実は“刀剣女子”へのプレゼントには模造刀がうってつけだという。実際の刀剣は数十万円～数百万円とブランド時計並み。模造刀であれば1万円ほどということで、“刀剣女子好き男子”からの注文が目下増えてきている。　しかし、“刀剣女子”は模造刀をどのように扱っているのだろうか。「私が買ったのは『へし切長谷部』という刀。“泣かぬなら殺してしまえホトトギス”の織田信長が茶坊主の失敗を許せず隠れた棚ごと圧し切った記念に命名された物騒な刀なんですが、普段は部屋に飾って鑑賞しています。たまに抜いてポーズを取ったりもしていますが、気持ちイイ（笑）。以前は刀になんてまったく興味がなかったんですが、もともとコレクション癖があったせいか、どうしても私の物にしたくなって。今はゲームよりも、本物の刀にハマっています」　ちなみに模造刀の携行は銃刀法違反で規制されることも。プレゼントを目論む男子は要注意！ ＜刀剣女子が喜ぶ模造刀 Best5　※「むしゃ処」調べ＞ 1位：薬研藤四郎 やげんとうしろう／別名薬研通吉光。名匠粟田口吉光作と言われ、織田信長が肌身離さず拵えていたという。ゲームでは信長のような豪胆さと“男前”なところが人気。6480円 ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=915486