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新宿の有名カフェ「ベルク」 立ち退き迫られ存続署名活動中

◆大組織が相手でも声を上げる。それが店の存続に繋がってます! 新宿駅の片隅。毎日のように立ち退きを迫られつつも声を上げ続ける店がある。新宿駅東口改札から徒歩20秒、21年の歴史を持つ、知る人ぞ知る名店、ビア&カフェ・ベルク。6年前に家主がマイシティからルミネへと代わり、以来再三立ち退きを迫られているという。
ベルク

年齢や性別、職種・国籍等の垣根を越え幅広い層から支持されている。こだわりのコーヒは一杯210円、生ビールは315円という良心的価格。一日平均1500人という驚異の集客を誇る

「声を上げることが店の存続に繫がっています」と語るのは店長の井野朋也氏。ルミネ側から立ち退きを迫られて以来、3年半にわたり署名活動を展開。現在まで2万人以上の署名を集めた。 「詳細な理由を説明されることなく、『ファッションビルだから』という一言で立ち退きを迫られています。売り上げが悪いわけではありません。努力を重ねて、坪効率では館内でも上位の売り上げ。それでも意図不明な呼び出しを頻繁に受け、会議室に連れていかれては立ち退き話をされる日々。マイシティ時代の店舗をすべて追い出したいのですかね。『ルミネ側から不当な呼び出しを受けています』と店のホームページに書いた途端に呼び出し回数は激減したのです。最初は、自らのこの問題を『公にすべきか、せざるべきか』で悩み続けました。 “立ち退き”というキーワードは、お客さんだけでなく業者やスタッフも引いてしまうので、それだけでも店にとっては致命傷。法で守られていても潰れてしまう店もあると聞きます。しかし、今は危険を覚悟で“とにかく声を上げよう”と。行動しなければ何も始まりませんからね」  その“声”は店のホームページや壁新聞の“ベルク通信”で発表。井野氏の不安とは裏腹に、常連客やスタッフの結束はより強固なものとなり、世界中の“元常連客”からも「ベルクをなくさないで!」と応援のメッセージが寄せられた。 ベルクの営業継続を求める請願書「公表後すぐにお客さんによる応援ブログ“LOVE!BERG!”が立ち上がりました。会計時にも応援する一言をかけてくださるお客さまや、実際にルミネ側に対して、ベルクの立ち退きについて問い合わせをされる方も多いようです。『“当事者同士の話なので答えられない”と返答された。客の俺たちだって“当事者”だろう!』と、怒りつつも応援してくださる常連さんも。本当にありがたいです」と、目を細め嬉しそうに語る井野氏。 「イメージ戦略とネームバリューで商売の見通しを立てる側にとって、ベルクのような店は得体の知れない存在なんだと思います。なぜ無名な個人店がここまで存続できるのか、成功しているのか。ビルの片隅に“さまざまな客層が混在する不思議な店”があってもいいはず。目指すは“闘い”ではなく“共存”。いつか理解し合えるときが来ると信じています」  請願署名は郵送でもOK。一歩一歩確実に、ベルク継続を求める声は大きくなっている。 井野朋也【井野朋也氏】 新宿ベルク店長。著書『新宿駅最後の小さなお店ベルク』(ブルースインターアクションズ)が発売中 ―多発中!ニッチな[デモ&署名]活動の熱い主張【2】―
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