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フジロック2015でキャンパーを直撃! 夏フェスを10倍優雅に楽しむ方法とは?

夏フェスを10倍優雅に楽しむ方法

昼は暑くても、夜になると一気に冷え込む。防寒対策は念入りに。

 今年も夏フェス・シーズンまっただ中。ここ数年は国内における音楽フェスの数も増える一方だが、それと比例するように、熱中症などで倒れて介護テントに直行というケースが後を絶たないという。炎天下の中での長時間イベントは、知らず知らずのうちに体力を奪っていく。ましてやフェスは大自然の中で行われることが多いため、防寒などの対策が不十分なままだと、あっという間に風邪をひいてしまう。  日刊SPA!は今年で19回目を迎える“音楽フェスの雄”FUJI ROCK FESTIVAL(以下・フジロック)の会場に潜入。一家言ある音楽ファンを直撃し、その心構えを聞いた。これで初心者でも夏フェスの“傾向と対策”はバッチリだ! ⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=905066
夏フェスを10倍優雅に楽しむ方法

まずはイスやシートで陣取るのが基本。ただし、ステージ前方に設置すると嫌がられるので注意

 大自然の中で「とにかく苦労する」という声が多いのが、携帯の充電に関してだ。周りに携帯ショップやマクドナルドがないため、それも当然だろう。特にスマホの時代になってからは充電難民が多発しており、それぞれ対策に頭を悩ましている模様である。  まず、モバイルバッテリーは必需品といっていい。特にテントで泊まる場合や、2日以上滞在する場合は必要不可欠。「今回のフェスのために4000円も出して強力なヤツを買った」(33歳・会社員)など、大容量の商品を持参するパターンが多いようだ。その一方、「電池だったら現地でも売っている。パワーの面は弱いけれど、電池式のほうが買い足せて安心できる」(33歳・ラジオDJ)という声も挙がっていた。  そんな中、「極力バッテリーを長持ちさせるため、普段は機内モードにしておくのがベスト」(OL・31歳)という裏ワザも。2~3時間に1回ほど機内モードから通常モードに切り替え、着信があった場合は折り返すという作戦だ。以前は電源ごと切っていたが、中途半端に電源オン・オフを繰り返すより、機内モードにしていたほうがバッテリーの持ちはいいのだという。
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人気アーティストが出演する直前は、ご覧のような大渋滞が。ステージ間の移動は計画的に行いたい

 その他、「ホテルではなくテント泊だけど、いよいよヤバくなったら車に戻ってシガーソケットに差して充電する」(28歳・ミュージシャン)という頭脳派や、「フジロックに関しては充電ブースも出ている。混んでいるけど、最悪、そこで済ませばいいかな」(33歳・自営業)という冷静な意見が。なお充電ブースでは、「少し目を離した隙にiPhone用ケーブルがAndroid用と入れ違っていた」(41歳・会社員)という被害報告も。おそらく相手も単純に間違えただけだと思われるが、自分のケーブルにシールを貼っておけば万全なはずだ。
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うだるような炎天下の中、川で水浴びをして息抜きをする人が多数

 日焼け止め、虫よけスプレー、レインコートは、もはや“夏フェス三種の神器”といえる。それに加えて「あれば便利。ないと困る」ものとして挙げられるのが、防水関係グッズ。「防水スプレーは本当にマスト。洋服からリュックから、それこそ何にでもかけまくります」(34歳・OL)、「携帯が入るサイズのジップロックは持っていったほうがいい。それと乾燥剤も!」(23歳・フリーター)などの声が多数。特にテントに泊まる場合、夜~朝方にかけては雨が降っていなくても朝露の被害に遭うことが多い。意外な盲点として注意しておきたい。  服装関係はどうか? 寒暖の差が激しい大自然。どんなに暑い季節でも、夜に備えて防寒対策をするに越したことはない。「オススメなのはセーターかカーディガン。よくパーカーを持ってくる人を見かけるけど、綿素材は湿気を吸って重くなる。ニットのほうが軽いし湿気対策もバッチリです」(26歳・会社員)という、おばあちゃんの知恵的なレポートは貴重。「あえてタオルは持ってこないです」(24歳・学生)という者もいる。タワー・レコードなど、一部の出展ブースによってはメール登録などをするだけでタオルがその場でもらえるからだ。少しでも荷物を軽くするため、憶えておいて損はないテクニックだろう。  靴に関してはトレッキング・シューズや長靴派が目立つ中、「サンダル一本が自分のスタイル」(27歳・会社員)という主張も。フジロックが開催される苗場には川が流れているため、「水着に着替えて川に足を浸していたら、どんなに暑くても生き返る感じ」だという。事実、今年は炎天下の中で水遊びをする者が続出。川の中でカレーを食べたりビールを飲んだりしている姿は、どことなく優雅な風情があった。  夏フェスといえば酒がつきものだが、少しでも節約しようと工夫をこらす人も目立った。会場へビンの持ち込みは禁止されているため、ワインなどは水筒に移し替えして持ち運ぶことになる。酒が切れてもホテルやテントに戻るのは面倒なため、あらかじめ大きめの水筒を持参するのが吉かもしれない。中には「ウーロンハイやウイスキーコーク、それにカクテル数種類をテントで作り、水筒を何本も持っていく」(28歳・会社員)というバーデンダー顔負けの者もいた。  ホテル・民宿利用者に比べ、テント組はより多くの段取りを要求される。テント宿泊者の多くから「持ってきたほうがいい」と指摘されたのが、ヒモ(ロープ)だ。「洗濯物を干すのに必要なんですけど、意外と忘れがちなんですよね。洗濯自体は温泉の立ち寄り湯に入るとき、ついでに済ませます」(29歳・サービス)。その他、キャンプ上級者の中からは「エア・マットがあると快眠できる」という意見も。テントで寝る際の、地面が固かったり、朝露で湿ったりといった不快な思いをしないで済むというのだ。記者も実際に座らせてもらったが、たしかに腰にも優しい感触で、居住空間の快適さはグッと上がる印象だ。
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「今のフェスは、ちゃんと子供連れでも楽しめるように設計されていますよ」

 小さい子供3人を連れたファミリーからも話を聞いた。フェスの最中、子供の面倒を見ることに気苦労はないのか? 「アスレチックやゴンドラなど、子供が喜ぶような施設を運営サイドが用意してくれているんですよ。子供はロックとかに興味なくても、普通に楽しんでいますけどね。大自然の公演に遊びにきたっていう感じで」(33歳・主婦)。とはいうものの、ときには親もステージ前方まで進んで騒ぎたいこともあるはず。そんなとき、子供が一緒だと難しいのでは? 「そういうときは、交代で子供の面倒を見るんです。だからうちでは、他のお子さん連れのご家族と一緒に来ることが多いですね」。  いかがだっただろうか? 今回、話を伺ったのはフジロックの会場だったが、他のフェスでも応用がきくアイディアも多いはずだ。上に紹介した以外にも「フェス飯は野菜が不足になりがちだけど、ちゃんぽんはキャベツなどが豊富で女子にオススメ」(27歳・販売)、「派手な服を着ていれば友達とはぐれないで済む」(34歳・会社員)など小ネタが多く上がってきた。体調にくれぐれも注意しながら、一段上のフェスLIFEを楽しんでほしい。 〈取材・文/小野田 衛 撮影/丸山剛史〉
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